スキーの季節も残りわずか。友人と「雪が多いところを」と探すと自然と行き先は北東北になる。月山か鳥海山か八甲田か…文明の利器を使って「ちょっと楽しながら」3日間の日程をこなせるところということで、人生初の八甲田へ行くことにしました。
ロープウェーを利用したツアーコースを2日間滑った後、八甲田の最高峰でもある大岳(1,585m)への登山に1日をあてることにしました。2024年4月後半GWの山行です。

■八甲田大岳 2024/4/29
睡蓮沼(8:00/10:30)大岳(11:00/13:20)睡蓮沼
大岳へ登って酸ヶ湯温泉にも入りたい。ルートとしては①八甲田ロープウェーから行くルートと②酸ヶ湯温泉から登るルートが、多くの人に登られています。しかしロープウェイを利用すると始発は9時でやや出発が遅くなる、酸ヶ湯温泉から登るのはこの時期だとスキーには雪が少ないのではと心配です。というわけで素直に③睡蓮沼からピストンとなりました。多少距離は伸びますが出発時間を8時にして時間に余裕をもたせた次第です。
コンビニで朝食と昼飯を買って睡蓮沼へ。路側帯に車を止めてさっそく大岳へ。8時で車はもう一杯だ。櫛ヶ峰へ行く人は多いが、大岳へ行く人はあまりいない。
竹竿に沿って忠実に上がっていきます。左手には硫黄岳が白い斜面をみせています。復路で疲れていなければ寄ることにしましょう。実際この斜面だけを登りにきている人が複数いました。
正面から右手には、大岳、小岳、高田大岳が連なっています。これぞ八甲田という景観ですね。八甲田は東斜面に滑走に良い斜面が広がっていることが多いようです。

仙人岱(せんにんたい)ヒュッテから大岳への登りにかかると、南八甲田の山々が見えてきました。南八甲田の最高峰、櫛ヶ峰も見えます。今回は北八甲田エリアを滑っていますが、南八甲田はどちらかというと滑るより、ゆるやかな起伏を登るイメージです。いつかウロコ板でのんびりスキー散歩といきたいところです。
大岳への登りはできるだけシールで行こうと試みますが、案外早く低木の樹林帯の急登となり「あかん」となって、シートラ。シートラーゲンはドイツ語で「スキーを担ぐ」の意味。登山用語でドイツ語が残っているのは珍しい気がします。
まもなく土が表れて幅の広い階段を上がると頂上だった。陸奥湾を見下ろすことができます。
日本百名山にしては頂上は思ったより人がいません。スキーツアー客も見かけません。あとで確認するとロープウェーは午前中からシステム異常で運行を停止していたそうです。
かなたに岩木山がうっすらと見ることができました。今日は霞んでくっきりとは見えません。黄砂も影響しているのかもしれません。
さあ、滑走に移りましょう。登山道から雪面に降りられるところを探し、数メートル草地を降りたところにある雪面へ。多分ここが前日会ったツアー参加者が「大岳最高っす!」と言っていたところだろう。
最初、急だと思いましたがザラメだと不思議にあまり怖くない。途中から斜滑降で仙人岱ヒュッテへ向かう。南八甲田に向かって広大な斜面を滑っているとたまらなく気分が上がってきます。
↓斜滑降の後が見えます
硫黄岳とのコルで休憩とラーメンとコーヒー。硫黄岳へは僕はうろこ板で登り切りました。すっかり前提となっていますが「テレマークのウロコ板」です。この組み合わせは滑りと登りのシームレスなところがたまらんです。
頂上近くにいた人に「睡蓮沼に行くならその先の斜面から下りればよい」とアドバイスを受けてそこへ行く。こちらの人はみんな話好きでいろいろとアドバイスをくれる。
この斜面はよかった。僕はきょうあたりから後ろ足のずれがよいタイミングとなっているのです。ストックワークで体重の移動が良くなっているようです。
元来た道に戻ってスキーハイクで睡蓮沼へ戻ります。櫛ヶ峰から帰って来ている人もちらほらいます。後片付けをして酸ヶ湯温泉へ。ここでも谷間を下山してくる登山者やスキーヤーがいました。その場面しか見ていませんが、ブッシュが出ていて「睡蓮沼からの往復でよかった」と思いました。
名物の「ヒバ千人風呂」は確かに大きくて「ホ〜」と思った。混浴で女性は袋状の布を体を覆っているが、男性はすっぽんぽんだ。混浴とはなんとおおらかな文化なんだろう。
ちゃんと洗いたくなって別風呂の男湯へ行き、その後荷物を整理して友人と別れる。15時17分のJRバスに乗って新青森へ。
初めての八甲田ですが、スキーを存分に楽しむことができました。日本百名山をスキーで登れたのは意義が大きい。いい登山スタイルだと思う。
八甲田はロープウェーがあって「いつでも登れる」と思っていたところがあって、またどちらかというとスレた印象がある山でしたが、一歩足を踏み入れれば、立派な山岳エリアです。雪の状態は日々変わって行くので、一つ一つの判断も臨機応変に対応しなければなりません。そういう意味でも楽しめる山域と言えるでしょう。
山岳景観が素晴らしいのはいうまでもありません。
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