日光白根山は標高が2,578mで関東以北の最高峰です。栃木県と群馬県に登山ルートがあって、群馬のロープウェイを利用できる丸沼高原コースがポピュラーですが、ロープウェイは11月初旬にいったん運行を停止します。(ちなみに2024年のグリーンシーズンは11月10日までとなっていました)
ウインターシーズンまで待てば良いのですが、真冬となるとそれはそれで大変になりそうなので、雪が積もる前に登るのもいいかなと思いまして。
いつもの通り公共交通機関を使ってアプローチし、栃木の日光・湯元温泉から日光白根山に登り五色沼の避難小屋に泊まって、また湯元温泉に引き返すルートを計画しました。東京に居住していた2021年11月の山行です。

■日光白根山 2021/11/13-14
1.湯元温泉ビジターセンター(10:15/13:05)前白根山(13:15/13:30)五色沼避難小屋(13:30/14:30)白根山(14:40/15:25)五色沼避難小屋
2.五色沼避難小屋(6:25/7:30)五色山(7:30/9:10)湯元温泉バス停
※日光白根山は2024年10月時点で「噴火警戒レベル1」「活火山であることに留意」です。行かれる時は気象庁のHPなどで情報を確認してください
湯元温泉から五色沼避難小屋へ
週末は土日ともお天気がいいらしい。紅葉を求めたほうがいいだろうか?それとも本格的な雪のシーズンに入ると安易に行けない関東北部の山に行くか…
結局、キンと張り詰めた空気の山に身を置きたくなって日光白根山を選んだ次第です。
東武特急の「リバティけごん1号」に乗って東武日光へ。8時45分発の東武バスで10時10分に湯元温泉に着きました。2021年ですから「けごん」もすごく空いていました。東武日光駅からのバスでは、赤い橋の神橋や中禅寺湖を見たりしてちょっとした観光の気分です。初めての日光なので、見るもの全てが新鮮です(笑)

午前10時10分、到着と同時にすぐに湯元温泉を出発。もう一人登山者がいましたが、前後しませんでした。上りは天狗平経由のルートをとりました。
最初は日光湯元温泉スキー場の中を進みます。HP見ますと東武グループの運営のようですね。関西人の私は日光でスキーができることもイメージできていませんでしたが、調べてみると近隣の光徳にはクロスカントリーのコースもあるようですね。テレマークで回ったら楽しいでしょうね。

スキー場の突き当たりから山道に入ります。ここからは根っこの掘れた足を大きく上げるような道となりました。いきなりですから「うへ〜」って感じです。道中の木にはプレートがつけられていて迷う心配はありません。

日が差さないので立派な霜柱がたくさんできていました。

樹林帯の急登を登りきると展望がひらけました。振り返ると左から太郎山、女峰山、男体山が見えます。男体山は太郎山との間になんと広大な裾野を広げているのだろうと思う。こう見るとあの樹林を徘徊して見たくなりますよね。

日光白根山の山頂はなかなか姿を見せません。深田翁も言っていますが、里からはなかなか馴染みにくい山だなあと思います。

前白根山が見えるようになるとその背後に大きな塊が姿を現しました。想像以上に…でかい。ラスボス感がすごいのだが。

「湯元から白根沢の急坂を攀じて前白根山の頂に着くと、眼の前に奥白根山が大きく聳えている」日本百名山の描写と全く同じ体験をしてますね。

五色沼避難小屋手前で、スリップして尻もちをつく。アイゼンは12本爪を持っていますがさすがにオーバーです。やっぱりこの時期は軽アイゼンかチェーンスパイクだな、今度買おう。
五色沼避難小屋は2段となっていて、それなりに年季が入っていますが、一夜を過ごすには十分です。


無風快晴のチャンスを逃すな!日光白根山をその日のうちにアタック
今日は本当に無風快晴で、これだけお天気が良いと、今日中にアタックしなければいけないという気になります。荷物をデポして軽装で頂上にアタックします。午後1時35分に出発。小屋から頂上までは往復2時間を見ています。急がなくては。


最後の岩場を登りきると頂上に着きました。

無風快晴。日差しが暖かい。全く音がしない。どこか遠くの惑星に漂着した宇宙飛行士のような気分です。
富士山が見えます。すごいな、富士山。
以前登った皇海山(すかいさん)も見えるはずだけど、どれがそうなのか判断がつきません。あ〜でも来てよかった。まさかこんなに良い天気だとは。



下りはあっという間で15時20分には小屋に戻ることができました。さて次は水場の確認です。五色沼の方へ降りて行きます。ここから見上げる日光白根山もまたすごい景色です。

五色沼を進んで行きますと「水場」の標識もあってチョロチョロと水の音がする斜面を行くと、果たして水が流れていました。もうすぐすると雪に埋もれてしまいそうです。時期的にギリギリセーフ!でした


今宵の宿は先ほどの五色沼避難小屋。もう一人のおじさんが同宿だった。元有名社会人山岳会のKさんという方で、劔を雪のシーズンに北方稜線、小窓尾根、奥大日から登ったとか、真冬にチンネに登ったとか、劔沢大滝の完全遡行を大阪市大の和田さんに先んじられたとか。「この人いわゆるレジェンドでは」と思うお話だった。面白かった。「50代の後半に筋力が落ちてからはダメだ」と話していた。(まさしく私が今直面していることじゃないか!)
モルゲンロートの日光白根山が素晴らしかった。そして下山
翌日は5時半ごろに起きました。昨日17時半ごろに寝て、確か0時から3時ごろまで眠れませんでしたが、夜明けごろにもう一度眠ることができたようです。よく眠れるものだなあ。冬用のシュラフで正解でした。
今日も天気は良いけれど、少し風が吹いている。アタックするKさんに挨拶する「またどこかで会いましょう」

下りは五色沼から五色山へ上がり国境平から中ツ曽根を下りるルートです。

五色山に登り返すと湯元温泉を見下ろすことができました。思ったより、近いですね。今日も太郎山、女峰山、男体山の3兄弟が仲良く並んでいます。

五色山から湯元温泉までコースタイムで1時間50分だし、こっちの道の方が空が開けていて気分的にも良いです。こっちから登ったほうがよかったかも。午前9時10分にバスターミナルに到着しました。

火山の登山に慣れていない関西人としては、富士山のような殺風景な風景を想像していたのですが、樹林帯はあるし、火口湖がアクセントになっていたりとても変化がある山でした。
まあ、わざわざこの時期にこの山を登る必要はありませんが、冬を間近に備えた日光白根山は凛々しく、大きな風景を独り占めできる満足度は思った以上に高かったです。
「物好き」な方はぜひトライしてみてはどうでしょう(笑)

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