アルトラのローンピーク9+ 山屋が履いてみた感想


無積雪期の登山用にはシリオのpf46-4を使っています。硬めの靴底が気に入って購入したものですが、近郊の山に登るとき、もう少し足元を軽快にして登りたいなあと思っていました。せっかく買うならゼロドロップやベアフットなど新しい概念を取り入れてみたいと思い、購入に踏み切ったのがアルトラのローンピーク9+です。

アルトラ ローンピーク9+
アルトラ ローンピーク9+

ローンピーク9+の仕様(公式HPより)

・重量:327.7g(Mens US10.5 / 28.5cm)  
・ミッドソール:Altra EGO™ 
・アウトソール:Vibram® Megagrip
・クッション:Moderate
・スタックハイト:25mm
・アッパー:リップストップメッシュアッパー

私が買ったUS8は片足283gでした。ちなみにシリオのpf46-4は片足584g(実測)なので大幅な軽量化です。サイズはお店で試し履きし、実測24.5に対してUS8が合いました。

ゼロドロップやベアフットって何?

さてゼロドロップやベアフットって、聞き慣れない言葉ですよね。

アルトラの公式HPではゼロドロップについて「シューズのヒール部分とつま先部分の地面からの距離が同じであること」としています。そしてゼロドロップによって着地面積は広くなり「自然で正しい姿勢とアラインメント(筆者注:整列や連携の意味)を保ち、関節、腱にかかる衝撃を劇的に減らせる」と説明しています。

ベアフットとは「自然足」と定義していて、足底の3つのアーチ構造により「(1)吸収と(2)反発(3)安定性の運動を行う事で、「直立」「歩行」「走行」を効率的に行う事が出来る」としています。
「アルトラはつま先部分に余裕を持たせ、前足部が地面に接地した時に横アーチが衝撃を吸収しながら沈み、指先が広がるようにデザインされています」

要はハイヒールや革靴などでは足は窮屈なので、足の機能を引き出せていない、逆に阻害しているという考えのようです。

アウトソールはビブラム・メガグリップ

今回の「+」はビブラムのソールだそうです。これまではALTRA独自のアウトソール MaxTracだったそうです。以下、HPより。

最大のアップデートはアウトソールのVibram® MegaGripへの刷新です。
あらゆるコンディションで優れたグリップ力を発揮し、改良されたラグパターンにより、従来モデルとは一線を画す高いグリップ性能を実現しています。

ビブラムのソール
ビブラムのソール

靴底を見るとおなじみの黄色いタグがつけられていますね。ソールの形状はベアフットらしくつま先部分が広がっているのがわかります。かかと部分にはコバのようなものがつけられています。

かかとにコバのような出っ張りあり
かかとにコバのような出っ張りあり

アッパーはメッシュ状 雨天時もこれで行くのか?

アッパーはメッシュ状です。ゴアテックスのモデルもあるようですが、あまり機能を盛り過ぎると、普通の登山靴との住み分けにならないかと思って、ノーマルタイプを選びました。ノーマルタイプでも「防水ソックス」などの対策をして雨天時でも使う人がいるようですが、私はまだそこまで研究できてないし覚悟もできていないので、当分の間は雨天時の使用は避けるつもりです。

アッパーはメッシュ状
アッパーはメッシュ状

軽快で開放感が味わえる 慣れ必要だが身体作りにどんな効果が現れるか楽しみ

足回りはとても軽くなった(特に下り)し、電車など公共交通機関に乗っていても登山靴のような威圧感は醸し出しません。ここのところは合格です。とは言ってもこの点についてはローカットシューズであればクリアするのですけどね。

アルトラはつま先部分に余裕があるため、靴の中で足が自由に動かすことができます。靴を履きながら、なんだか開放感を感じることができます。単純に気持ちいいです。

問題は山を歩いた時の感想です。思っていた以上に、ふくらはぎなど筋肉の疲労が強いと感じました。ゼロドロップによって通常の靴よりかかとが下がっているので、ある意味当たり前ですよね。ですので当初は疲労感が強かったです。

日々のウォーキングでも、普通のスニーカーと履き比べてみたのですが、やはりローンピークの方がふくらはぎへの負荷は強いように感じました。ただこの疲労は慣れによって解消されるような気がしています。そしてこのことこそが「正しい姿勢で歩くことがこれまでできていなかったことの証明」というのが、ゼロドロップを推奨する人の主張です。

ローンピーク9+で、京都一周トレイル(桃山御陵〜八坂神社)、天王山、生駒と3回行きましたが、最初の京都一周トレイルでは「こんなはずではないのに」という疲労度でした。ふくらはぎだけでなく全身が疲れてしまいました。3回目の生駒ではふくらはぎの負荷は、ほとんど気にならなくなりました。気のせいかもしれませんが、効果として、ふくらはぎが締まったように思います。

グリップ力はとても良いです。沢沿いの濡れた石の上でスリップしそうになりましたがそれ一度きりです。岩場やザレ場、土、根っこなど、危ないと感じることがなかったです。

私はアルトラの靴を初めて購入するので、他のモデルで採用されているMax Tracとの比較はできませんが、購入した店員さんが「ビブラムにして擦り減りにくくなりました」と話していたのは留意したいところです。

今のところ普通の登山靴を上回るほどの効果は見いだせていません。しかし裸足の時に近い自然な姿勢と足運びをすることにより、怪我をしにくい身体を作ることがゼロドロップの概念のようです。実際にふくらはぎが締まったような気がしますし、慣れれば身体全体の疲労度が高いのもそのうちなくなるかもしれません。これからの加齢においては怪我をしにくい体作りが求められるので、自分の身体がどのような変化するのか楽しんで使い続けたいと思います。

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