奈良・龍王山から初瀬山を経て、あじさいの長谷寺へ


龍王山からの眺め 大和三山も見える
龍王山からの眺め 大和三山も見える

最近お腹がポタンとしてきた私。「身体を動かさねばならぬ」「汗をかかねば」という思いに取り憑かれ、梅雨の晴れ間ならぬ7月、8月並みの猛暑日に、あえて山へ行くことにしました。

さてどこへ行くか思案していたところ、SNSで長谷寺の紫陽花に目がとまりました。三輪山を登って巻向山、初瀬山をへて最後に紫陽花が咲く長谷寺へ行ければきれいなルートになると考えましたが、三輪山からは縦走できないとの情報があり、龍王山からに変更した次第です。

最初に白状しておきますが、ルートの選定を間違え、途中はバリエーションの類になったりして反省のある山行となりました。2万5千分の一の地形図の破線の道を信じたのですが、すでに廃道になっているようでした。龍王山から県道へ下るルートの軌跡は参考にしないでくださいませ。

■龍王山から初瀬山を経て長谷寺(2025/6/17)
JR柳本駅(9:00/10:45)龍王山(10:50/12:25)初瀬山北登山口(12:25/12:50)初瀬山(12:50/14:00)長谷寺(14:00/14:25)近鉄長谷寺駅

JR柳本駅から歩くとすぐに「三角縁神獣鏡」

さて近鉄天理駅でJR万葉まほろば線(桜井線)に乗り換え、柳本駅に降り立ちました。なんもない駅です。寂れた感じの駅前の広場から東へ伸びる道を行くと

JR柳本駅
JR柳本駅
柳本駅前からの道
柳本駅前からの道

左側に水路とこんもりした島のような丘が見えました。明らかに前方後円墳ですね。この辺りはヤマト王権の中心地で、付近には古墳が点在しております。

黒塚古墳
黒塚古墳

で、この古墳は黒塚古墳というもので、発掘調査のときに、三角縁神獣鏡がザクザク出てきて、当時大ニュースになり、邪馬台国の大和説を裏付けるとやにわに盛り上がったのです。

黒塚古墳展示館
黒塚古墳展示館 鏡はこういう風に置かれていた

黒塚古墳展示館には石棺が復元され、レプリカの三角縁神獣鏡が展示されています。無料です。うーむ、興味深いのですが、まだ先もあるので、あまりゆっくりもしていられません。

大和盆地を見下ろす龍王山(585m)へ

右の森は崇神天皇陵 奥に二上山
右の森は崇神天皇陵 奥に二上山

向こうに二上山があって、周りに先人たちの墓(古墳)があって…たしかに国を治める人が大和盆地を見下ろしていたように想像できます。

さて登山道に入ると、やがて沢沿いの緩やかな道となりました。

沢沿いの緩やかな道
沢沿いの緩やかな道

順調に登っておりますと、尾根の上に上がれそうな手前に丸太階段が現れました。最近の丸太階段は割と段差が小さく、意識して登りやすく設置されているような気がするのは私だけ?

丸太階段
丸太階段

丸太階段を登りきると、大きな道が交差していて、トイレもありました。龍王山南城跡の方を目指して林道を歩きます。

トイレあり
トイレあり

田龍王社という社がありました。ちょっと神秘的なのは周りが水で満たされていることです。透き通っているので、水が湧き出ているのではないでしょうか。こんな山の上に近いところで湧いているなんて、ちょっと不思議な力が働いているように感じるところでした。

田龍王社
田龍王社

尾根を登りきると龍王山の頂上です。

龍王山からの眺め 大和三山も見える
龍王山からの眺め 大和三山も見える

龍王山の山城は南北2つの峰に分かれています。北の方が60mほど低いがそちらの方が大規模でした。2カ所に分かれながら互いに呼応しあって一つの城を形づくっているのを別城一郭の構えといいます。南北朝の頃に小さな砦を作ったのがはじまりで、16世紀初めに十市遠忠が一大城郭を築きましたが、その子供の遠勝の時にほとんど抵抗もできずに龍王山城を明け渡したそう。

龍王山の頂上は休憩に良い
龍王山の頂上は休憩に良い

龍王山からは初瀬山を目指すのが正解 私はルート選択ミスでした

さてこの時点では次の目的地は巻向山でした。2万5千分の一を見ていると、一本松というところを経由して県道に出て、すぐに巻向山に登る破線ルートがあり、スマホのGPSを見ながら目指したのですが、これが大失敗でした。みんなの足跡を確認すればだ〜れも歩いていません。(確認はしていませんが)頂上付近から直接、初瀬山を目指すのが正解だと思われます。

地形図を見て柳本方面へ行ってしまった
地形図、GPSを見て柳本方面へ行ってしまった

案の定、テープは訳のわからない方向に導き出して、踏み跡はかすかに残る程度。とにかく沢に降りれば林道っぽい実線の道に出れるだろうとぐんぐん降りていきますと、林道っぽい道を見下ろす格好となりました。

黄色い矢印に従ってみる
黄色い矢印に従ってみる

もう目の前に太い林道を見たものですから、ちょっと焦ったのでしょうね、ここをクライムダウンできるだろうとやってみますと、岩がボロッと剥がれ落ちたりして、危険!危険!が脳内を駆け巡ります。最後は1mほどもないと思うのですが、飛び降りて尻餅をついて着地したのです。最高にブサイクな登山となってしまいました。もう少し下流側に進めば、緩やかな場所もあったので、完全に判断ミスです。

クライムダウンで最後飛び降り
クライムダウンで最後飛び降り

とはいえ気を取り直して県道に出ました。地図上には巻向山に登る道があるのですが、河道があって渡ることもできません。(ここも跡からみんなの軌跡を見るとだ〜れも歩いていませんでした)。明らかに下調べ不足なのでした。

計画を変更して、巻向山をカットして直接、初瀬山(はせやま)を登ることにします。この県道を歩いているときは、7月、8月並みの酷暑を感じました。危険な暑さです。

県道を歩く
県道を歩く

目の前に大きな看板があって、その横に久しぶりの道標が立っていました。竜王山ハイキングとあります。「ここに道があるやん。な〜んや」と他人事のように愚痴を言ってみますが、みんな自分の下調べ不足、準備不足の結果なのでした。

龍王山からは藤井経由の道が生きているようだ
龍王山からは藤井経由の道が生きているようだ

そこからはきれいなハイキング道になり、なんなく初瀬山に到着。

初瀬山
初瀬山

初瀬山から、あじさい咲く長谷寺へ

初瀬山から降りて行くと、やがて樹間にお寺の建物が見えてきました。墓地の脇道を通って山腹を巻くと、長谷寺の五重の塔のところに出ました。長谷寺はあじさいが思った以上に咲いていて、またお寺も色々と趣向を凝らして「映え」るお寺でした。

長谷寺の紫陽花
長谷寺の紫陽花
紫陽花 青があざやか
紫陽花 青があざやか
紫陽花回廊を上から見る
あぢさゐ回廊を上から見る

あじさいも良いのですが、やはり十一面観世音菩薩立像は何度見ても圧倒されますね。とても好きです。

長谷寺の回廊
長谷寺の回廊

門前町には草餅やにゅうめんを食べさせる店があって、平日というのに割と人通りも多く、草餅のお店には列もできていましたよ。

長谷寺の門前町
長谷寺の門前町

参道を歩いていますと、中山酒店というお店があって、ふらっと入りますと、「こもりくの里」一種類だけの販売でした。先ほど新酒が売り切れたばかりだとのことですが、試しに1本購入しました。1,650円です。原酒なのでロックで飲んだりしても良いとのこと。コメの旨味が味わえるとの店主の言葉です。

日本酒「こもりくの里」1,650円
日本酒「こもりくの里」1,650円

まあ、ルートのミスもありましたが、長谷寺を絡めて登山できたのはよかったと思います。柳本駅〜龍王山〜初瀬山〜長谷寺と最初から決めて登ったらなんの危険もない4〜5時間のルートでしょう。ちなみに初瀬山から巻向山も登ることができます。そうすれば、さらに歩きごたえのあるコースになると思いますよ。


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