飯豊山 急登から稜線に上がれば天上の楽園が待っている(後編)

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 飯豊連峰の縦走の旅の後編です(前編はこちら)。前回は飯豊山荘から梶川尾根を登り梅花皮小屋までの道のりでした。雨の中の登山となりましたが、不思議と心が折れることもなく翌日からの好天を信じ込んでいました。その想いが通じたのか…? 2023年9月の山行です。

梅花皮小屋からみる夜明けの空
梅花皮小屋からみる夜明けの空

 翌日は3時40分ごろに起きました。予定より早いですがお湯を沸かしてチキンラーメンとインスタント味噌汁とコーヒーをお腹に入れて出発します。小屋の外に出ると東の空が明るくなりかけていて、風は収まりつつあるようです。

振り返ると梅花皮小屋が見えた 背景は北股岳
振り返ると梅花皮小屋が見えた 背景は北股岳

 太陽が昇るとガスもきれてきて振り返ると北股岳がずーんとそびえていて朝日に照らされています。
 きのうはガスの中だったのでわかりませんでしたが、こんな立派な山だったんですね。梅花皮の小屋がかわいいです。飯豊の小屋はみんなこじんまりしていていいですね、風景の中のアクセントとしていい味出しています。

これから登るピーク 水場が見えている
これから登るピーク 水場が見えている

 前日ほどではありませせんが、西からの風がガスを吹き上げてきます。

飯豊の稜線が見えてきた
飯豊の稜線が見えてきた
イブキトラノオ
イブキトラノオ
カタツムリ
カタツムリ

 それも日が登るにつれてガスが切れて視界が広がってきました。おっ、おっ、おー、やった!

飯豊連峰 烏帽子岳頂上
飯豊連峰 烏帽子岳頂上

 いい稜線だな〜

これから歩く緑の稜線 奥に御西から大日へ続く稜線
これから歩く緑の稜線 奥に御西から大日へ続く稜線
烏帽子岳から 東の山々を見る
烏帽子岳から 東の山々を見る。山々が連なる

 烏帽子岳から下り、先ほど見た緑の一直線に延びる稜線歩きです。

 御手洗の池は青空が映り…

御手洗の池
御手洗の池

 天狗の庭では飯豊の最高点、大日岳が左右に尾根を伸ばす立派な山容を見ることができました。

大日岳のなんと立派なことか
大日岳のなんと立派なことか

 大日岳は日本百名山に選ばれていないため端折られることも多いようですが、この姿を見たら「登らなあかんやろ」と思ってしまいます。

天狗の庭 自然の復元が施されていました
天狗の庭 自然の復元が施されていました
烏帽子岳を振り返る 歩いてきた緑の稜線
烏帽子岳を振り返る 歩いてきた緑の稜線

 やがて御西小屋を出た登山者とすれ違うことが多くなってきました。面白かったのが「水場どうですか?」と情報交換することが多かったことです。どうやら小屋でも水が枯れているところがあって水の確保が大変なところがあるようです。きのうの梅花皮は例外だったのですね。

ヤマハハコ
ヤマハハコ
御西の避難小屋が見える
御西の避難小屋が見える

 御西小屋に荷物をデポして大日岳をピストンします。往復2時間半かかるので結構なものです。(端折られるのもわかるような気がする…)

大日から御西小屋方面を望む(写真は復路に撮影)
大日から御西小屋方面を望む(写真は復路に撮影)

 大日岳の頂上ではあいにくガスに包まれていましたが、一瞬だけ青空が見えたときがあって、その時は登山者の声のトーンが上がりました。

大日岳の頂上 一瞬だけガスが晴れた
大日岳の頂上 一瞬だけガスが晴れた

 御西小屋から飯豊本山へ。このあたりは広い尾根で、晴れていれば本当によい景色っぽい。

御西から飯豊山への広い稜線
御西から飯豊山への広い稜線
飯豊山手前はゴツゴツした感じ ちょっと以外だった
飯豊山手前はゴツゴツ  これまでと感じが違う
飯豊山頂上はガスで展望なし
飯豊山頂上はガスで展望なし やっぱりちょっと残念

 飯豊本山の頂上ではパパっと写真をとって下りだします。

飯豊山 御秘所の通過
飯豊山 御秘所の通過は鎖があるし、わりと段々だったと思う

 もともとは本山小屋でテント泊の予定だったのですが、予定より早く行程をこなしているので、切合(きりあわせ)まで足を延ばすことにします。ここも普段の水場は枯れていますが、大日杉への道を行くと水が豊富に流れていました。

切合のキャンプ場 雲がもくもくと湧きあがり夕立が降った
切合のキャンプ場 雲がもくもくと湧きあがり夕立が降った

 テン場では夕立にあいましたがすぐにやんで、ビールとウイスキーの残りとご飯を食べて寝てしまいました。案の定夜中に起きてしまいましたが、テントのすきまから夜空を見上げると星空です。カシオペア座が見えました。

星空を撮影してみる TG-4の星空モード(ライブコンポジット機能)で撮影
星空を撮影してみる TG-4の星空モード(ライブコンポジット機能)で撮影

 翌日は4時45分ごろに出発して、剣ヶ峰の岩稜を経ました。結構緊張しました。

飯豊山 剣ヶ峰は割と緊張したポイント
飯豊山 剣ヶ峰は割と緊張したポイント

 途中電波が通るところ(地蔵岳の分岐)からタクシーを呼んで(「峰秀水」と言う湧き水が冷たくてジャバジャバ出ていて最高でした)2時間後の9時に御沢で落ち合うことができました。

御沢の登山口に到着
御沢の登山口に到着

 運転手さんから「山都そばはおいしいよ」とさんざん聞かされて、その気になったのですが、まだ9時半でどこも開いていません。待つのも時間がもったいない気がして10時22分のJR磐越西線に乗って郡山へ向かいました。山都そばがちょっと心残りかな。
 それ以外は自分の体力、気力ともに充実した山行となった気がします。

山都駅 運転手さんおすすめの山都蕎麦が食べたかった
山都駅 運転手さんおすすめの山都蕎麦が食べたかった

 飯豊は大きい。その大きさに強くしてもらったような気分です。

■飯豊連峰縦走2泊3日(2023/9/16~18)

1.飯豊山荘(8:25/13:50)門内小屋(14:00/15:30)梅花皮小屋
2.梅花皮小屋(5:20/8:25)御西小屋(8:35/9:40)大日岳(10:00/10:55)御西小屋(11:05/12:10)飯豊山(12:10/13:50)切合小屋
3.切合小屋(4:45/8:30)御沢登山口


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