今年5月にダウラギリ(世界7位:8,167m)に登り、8,000m峰14座全てに登った竹内洋岳さんの番組です。ルートは北東稜。登山タクティクスは次のようでした。
5/4 B.C(4,700)入り
5/8 C1(5,700)から上へ。~6,800mまで登る。一旦BCに戻る~
5/23 B.Cを午前4時40分発
5/25 C2(6,600)発、6,800m付近で同行の中島健郎さん(27)を下す。体調不良のため。C3(7,300)建設。
5/26 C3を午前1時半に出発。正午に7,800m付近。17時すぎ稜線上。17時半登頂。C3への下降路を見失い7,500m付近マイナス20度の環境でビヴァーグ。
5/27 午前5時にNHKのカメラが無事を確認。6時40分にC3着。日が暮れてからBC着。
竹内さんの装備はマムートのウェア、ドイターのザック、グリベルのヘルメット、スカルパのゲイターでした。共同装備ではプリムスのパワーガス、ジェットボイル、ブラックダイヤモンドのショベル?が見受けられました。一人当たりの装備は10キロくらいに抑えるとのこと。
C3への下降路がわからずビヴァーグを無線で伝える声も落ち着いていて無駄な言葉をはっしないし、、サポートに来た中島さんと会ってもどちらかというと中島さんの方が興奮してるし…。こうした冷静な性格は次の言葉に象徴されていると思います。
「ベースキャンプを出て頂上に登り帰ってくるまでは、息を止めて水の中を潜って何か深い池や淵の底に触れて、息が続くまでに浮かびあがって帰ってくるような感覚。いかに無駄なく動いて帰ってこれるか、それが大事」
他の隊のフィックス・ロープを使ったりしていたので、少人数での速攻登山が竹内さんのこだわるスタイルなんでしょう。以前BSで放送した1時間半番組では「14座は実は今さらな事。それを日本人ができていないのが悔しい」と、現代登山界での位置づけもしっかりしているようです。
竹内さんは立正大学山岳部出身で、8000m峰は大学時代にマカルーを登ったのが最初とのこと。まだ41歳とのことですが、こんな大きな目標を達成してしまうと次の目標はなんなのでしょう?
竹内さんのブログでも触れられていますが、NHKの山岳班スタッフはすごいですね。中島さんより高いC3まで行くのですから。BSでの放送によると山村カメラマンはエベレストに2度登頂しているそうです。
※追記 中島健郎さんは関西学院大学山岳部出身のようですね。ディンジュンリ初登頂者と後日気付きました。
(撮影)山村武史、中洞拓人(取材)根本隆、竹内秀樹(ディレクター)廣瀬学(プロデューサー)白石章治
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