吾妻山・前川大滝沢 とにかくナメが続き、デカかった滑川大滝 9月の前夜発日帰り沢登り


ナメだ〜
ナメだ〜

吾妻連峰・前川大滝沢の紹介

福島県と山形県にまたがる吾妻連峰は東北の山でも南に位置する山々です。西は西吾妻スカイバレー、東は磐梯吾妻スカイラインの道路に、北は奥羽本線、南は国道115号線に挟まれた山域と考えるとわかりやすい(?)かもしれません。

最高峰は西吾妻山(2,024m)で日本百名山にも名を連ねていますが、代表的な峰がないことから深田久弥も「これほど茫漠としてつかみどころのない山もあるまい」と記していますが、そのポテンシャルについては認めざるを得ないようです。

この膨大な山群には、渓谷あり、高原あり、湖沼あり、森林あり、しかも山麓をめぐってあちこちに温泉が湧いている。包含するところの景勝は甚だ豊富であるが、それを極め尽くすのは容易ではない。(日本百名山)

吾妻連峰の沢登りでクラシックルートといえば、南面の白滑八丁の中津川ですが、北面の前川大滝沢も吾妻連峰の代表的な沢登りのルートでしょう。出合から最後までナメが続き、そして日本百名瀑の大滝がかかるのです。ナメ好きの沢登りの方なら一度は訪ねてほしいところです。

アプローチは奥羽本線峠駅から一軒宿の滑川温泉を目指し、手前の端から入渓します。私たちは前日に滑川温泉手前まで車で入り、遡行を途中で打ち切ってからは登山道を下って、滑川温泉で日帰り温泉に入り下山しました。日帰りの行程で大丈夫だと思います。

■吾妻山系・前川大滝沢 2022/09/10
滑川橋(6:00/6:50)大滝(7:05/8:00)高巻き終了(8:00/12:05)潜滝(12:10/15:00)滑川温泉

滑川温泉近くから入渓 1歩目からナメだ

金曜日、新幹線「やまびこ」に乗って福島駅へ行き、大学時代の知人と合流。そのまま吾妻山系の前川大滝沢へ。雨は降りそうもないので車の外に寝袋を出して屋外で寝た。

翌朝は5時に起床して6時前に出発。橋のすぐ下流から遡行し始めましたが、いきなりのナメです。

出合からナメが始まる
出合からナメが始まる

やがて3段20メートルの滝が現れます。ここは右岸のバンドから滝の左を直登。

一段目小滝は左手のバンドから落ち口へ
一段目小滝は左手のバンドから落ち口へ
バンドから一段目落ち口へ
バンドから一段目落ち口へ
滝を直登していく
滝を直登していく
滝を直登していく2
滝を直登していく2

大滝沢は、とにかくナメが続く

その上もナメが川一面に広がります。いやっほー!スキップでランランラン♪

ナメだ〜
ナメだ〜
赤い岩床のナメが続きます
赤い岩床のナメが続きます

右岸に赤テープが鈴なりになっているのを気に留めて、川が右に屈曲すると奥に大滝が現れました。

さすが日本の滝百選 滑川大滝はバカデカい

大滝現る!
大滝現る!
大滝デカいな〜
大滝デカいな〜

バカでかいです。日本の滝百選に選ばれ、東北では最大級の滝だそうです。人が手前にいるのがわかるでしょうか?わりと画角の広いカメラなのですが、収まりきれません。

人と比べるとデカさがわかるでしょ
人と比べるとデカさがわかるでしょ

滑川大滝を登山道を使って巻く

先ほどの赤テープまで戻って一旦登山道まで上がり、大滝を巻くことにします。途中でNHKのクルーが13時50分からの番組のためドローン撮影の準備をしているのに出会いました。あとで番組を見ると、ほんの1分ほどの映像でした。大変な労力がかかっているのですね。

photo-spotなんだ
photo-spotなんだ

登りきったところは一般の方もくることができる「滑川大滝」のPhot Spotとなっています。しかし、先ほど間近で見た印象はこんなものではなかったな。ふふっ、やはり間近で見なくちゃな。(とは言っても無理してはダメです)

滝の展望地から
滝の展望地から

登山道を尾根に沿って登っていくと、やがて鉱山で使ったのでしょう、索道の滑車の残骸がありました。ここまで行くと行き過ぎとの記述を目にしていたので、ほんの手前でおびただしくつけられたテープの場所に戻り、沢への下降を始めます。

索道の車輪が見えたら行き過ぎのサイン
索道の車輪が見えたら行き過ぎのサイン
沢に下っていく
沢に下っていく

まだまだ続くナメと小滝 全て直登できます♪

無事大滝を巻くことができました。大滝を巻き終えてからはナメと小瀧が続きます。そのほとんどが登れるので楽しーです。

まだまだ小滝が続く
まだまだ小滝が続く
振り返ると東北らしい森が見える
振り返ると東北らしい森が見える
まだまだナメが続く
まだまだナメが続く
とにかくナメが続く
とにかくナメが続く
小滝もどんどん登ることができる
小滝もどんどん登ることができる

下の写真はY字状の滝です。ここはロープをつけて淵に飛び込み滝下に到達。滝の右側を登りました。結局ロープをつけたのはここだけ。念のためのもので、なくても突破は可能と思う。

ロープをつけて飛び込み小滝に取り付く
ロープをつけて飛び込み小滝に取り付く

吊り橋や索道跡など滑川鉱山の残骸が見られる

見上げると古い吊り橋が見えました。この沢は所々で硫黄の匂いがします。魚影も見かけません。先ほど高巻きの途中でも索道の車輪の残骸がありました。

鉱山跡の吊り橋がかかっている
鉱山跡の吊り橋がかかっている

インターネットの情報によると、この山には滑川鉱山があり1941年から1970年に閉山するまで鉄鉱石を採掘していたそうです。吊り橋は左岸の鉱山施設に渡るためのもので、索道などは右岸の尾根上につけられていたそうです。採掘された鉄鉱石は索道により滑川温泉まで運ばれ、奥羽本線の峠駅から東新潟港を経て八幡製鉄所に持ち込まれていたそうです。戦争から高度成長期まで採掘がされた滑川温泉は、その後急速に幕を閉じることになったのです。

鉱山と関係しているのかどうかはわかりませんが、極め付けは下の写真、沢の中に「湯の花」がゆらゆらしていました。手を入れると冷たくない程度でしたけれど。

湯の華がユラユラ
湯の花がユラユラ

最後は潜滝をみてそこで引き返すことにします。下山の道は一般道のはずですが、途中まで薮がけっこう生い茂っていました。レール跡もあって、それも滑川鉱山の名残だと思います。

潜り滝で登山道に上がる
潜り滝で登山道に上がる

滑川温泉で汗を流し(¥600)帰路につきました。

前川大滝沢はとにかくおすすめです。


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