兵庫県の播州地方(南西部)には露岩の岩尾根の山がぽつんぽつんと存在感を放っています。高御座(たかみくら)山の播磨アルプスや、加西市の加西アルプスなど、播磨地方はいわば「ご当地アルプスのホットスポット」となっているのです。そして今回ご紹介する小野アルプスは紅山(べにやま)という岩山がとにかく印象的で、縦走のご褒美に温泉もあるという間違いないルートです。少しだけ涼しくなった2024年9月の山行です。

■小野アルプス 2024/9/29
小野町駅(9:40/10:40)紅山(11:00/11:30)惣山(11:30/12:05)アザメ峠(12:15/13:30)白雲谷温泉ゆぴか(14:45/15:00)市場駅
1.アプローチはJR加古川線小野町駅へ
大阪から新快速に乗ると六甲山、須磨の海岸、明石海峡大橋、明石の天文台などを眺めているうち、すぐに加古川に着いてしまいます。実際1時間もかかりません。そして加古川からは加古川線という2両編成の電車に乗り換えます。西脇市までICカード使えます。

小野町駅は無人駅で、駅にはお蕎麦屋さんが開店して気を吐いています。巻きずしなんかもあるそうです。のぼりがいくつもたっていて、パッと見、もはや駅なのかどうなのかわかりませんが閑散としているよりはましというものです。

駅のベンチで身支度を整えて出発しますと、すぐに小野アルプスと思われる山並みが見えてきました。第一印象は「低っ!」。そうなんです、小野アルプスは最高点でさえ198メートルで「日本一標高の低いアルプス」と言われているのです。

まずは鴨池の女池(めいけ)に向かいます。冬にはコハクチョウが渡りに来るのですが、ここはコハクチョウの渡りの南限にあたるそうで、「見かけてもそっとしてあげて」との看板がありました。一度見てみたいな。

手作りっぽい道標が小刻みにあって迷う心配はありません。岩倉入り口の静かな池に涼やかな睡蓮が咲いていてしばらくみとれてしまいました。
岩倉入り口には駐車スペースが数台あります。紅山だけ登るならここに駐車して周回するのが良いかもしれません。



2.紅山の岩稜は小野アルプスのハイライト 家族連れも登っていた
さてここからはまず登山道をまっすぐ進みます。ほとんど平坦な道です。

突き当りを右に折れるといよいよ紅山の岩稜です。オーっ!すご〜い。

巾20メートルくらいでしょうか、岩稜が空に向かってのびています。なるほど紅山の名前通り岩全体が朱色に染まっています。地衣類かなにかでしょうか?

家族連れがお互い励ましながら少しずつ登っています。私も取りついてみますと、三点支持するほどの傾斜ではありませんが、2本足だけではちょっとムズイので時々手を添えるという感じでしょうか。ちなみに巻き道というのもあるようですが、使っている人はいませんでした。
頂上から山陽道が見下ろせます。山陽道を走っていてもこれまで気づきませんでした。今度通るときは気を付けてみよう。
それにしても恐竜の背中のようじゃありませんか!


頂上に「夫婦岩10分 パワースポット」という標識を見かけたので、寄ってみることにします。途中紅山の岩稜を横から見ることができました。横から見てもなかなかの傾斜です。

ほんと10分くらい踏み跡を辿って行くと夫婦岩に着きました。パワースポットという触れ込みなので、手を合わせておきました。

頂上に戻ります。先に登ってきた岩稜を下っている人もいましたが、緊張したりせずボーッと何も考えずに歩きたいと思って、下山路として推奨されている北側の道を下ります。でもロープがたくさん備え付けられているような結構急な下りでした。
3.惣山の展望デッキで景色を眺める 縦走のご褒美は温泉だ
十字路で出合うように最初の道に出合います。ちょうど周回した具合ですね。今度は惣山を北側に回り込んで、展望デッキを経由します。

展望デッキはさすがに景色が見渡せます。先ほど上った紅山や鴨池なんかも見下ろせました。高度200メートル未満の地点ですので、さすがに見下ろす景色が近いです。



惣山は198メートルで小野アルプスの最高点。小野富士とも呼ばれているそうです。


小さなアンテナがあるアンテナ山、総山をこえていったん車道に出ます。アザメ峠というそうです。峠のお地蔵さんがありました。


そこから登り返しがあるのですが、ここでちょっと道に迷いました。小野アルプスは元々地理院地図にのっていない縦走路なのです。コースマップをよく見たり、スマホアプリをみて確認して進むのが良いです。逆に神経質にならず、道がつけられている通りに進めば大丈夫です。


ここからは早かったです。前山をとおり日光峠で鍬谷温泉への分岐を見送ります。


高山をとおり、白雲谷温泉ゆぴかに到着です。


ゆぴかは900円。JAF提示で850円でした。露天風呂、ジャグジー、サウナがあってすごく立派です。風呂上がりも畳敷きの大広間で休憩してまったりしました。ゆぴかを14時45分に出て15時15分の加古川線で帰路につきました。
小野アルプスは紅山の岩稜がハイライトです。それだけでも十分楽しめますが、最後の温泉を目当てに縦走する方が充実すること間違いなしです。真夏はちょっと厳しいでしょうけどね。
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