12月初旬から急に冷え込むようになった2024年の師走。雪もあちこちで本格的に降って、こんなに予定通りスキー場がオープンしていくのを見るのは久しぶりなような気がします。関西の山にも降雪がありましたが、降った直後はなかなかラッセルで苦しめられるので、「雪を踏みしめる」くらいがいいと思い、京都の愛宕山へ。落語「愛宕山」にも取り上げられ、「愛宕さん」と市民に親しまれています。2024年12月の山行です。

■京都・愛宕山 2024/12/15
清滝バス停(9:20/11:20)愛宕山(11:50/12:30)月輪寺(12:35/13:30)清滝バス停
(下の地図は軌跡が飛んでしまっています)
1.阪急嵐山駅から清滝バス停、愛宕山表参道へ

阪急嵐山駅のロータリーの端っこにバス停があります。8時58分発のバスには10人ほどが乗り込み余裕で座れました。渡月橋を渡るときに白くなっている愛宕山が見えました。しめしめと顔が笑いそうになります。
途中でJR(嵯峨嵐山)で来たと思われるお客さんが乗ってきて超満員になりました。外国人や中学生らしい集団(登山部?)もいて賑やかです。9時15分には清滝バス停に着きました。ICカードOKです。帰りのバスの時刻を確かめると日中は○時30分に1時間おきにあるようです。

バス停から清滝川に沿って歩きますとやがてたくさんの人がいました。公衆トイレです。のちに看板を目にするのですが、山には山頂までトイレがありません。列ができるのもわかります。登山口には有料の駐車場もありました。

橋を渡りすぐに左へ。すると赤い鳥居が見えてきます。愛宕山表参道です。


2.愛宕山表参道の手入れは、地元の人の心がこもっている
「伊勢へ七度、熊野へ三度、愛宕山へは月参り」の古歌は、確か落語で聞いたことがあります。今回の登山後、Youtubeで「愛宕山」を聞きました。賑やかな上方落語です。たしか桂枝雀さんのを子供の頃に見たような記憶があります。ビデオ残ってないかな。

下の看板の他にも「往復5時間はかかる」などの注意書きがありました。

表参道を歩くとすぐにわかるのが住民の手による手入れの良さです。たくさんの人が通る道だから広いのはまあ理解できるとして、お地蔵に備えられた花の美しいこと。ちょっと頭が下がりますね。

その他にも道端にはいろんな謂れが看板に書き記されていました。京都愛宕研究会の名前が入っています。それに消防団の看板もユニークなものがあって楽しいです。「消防団に来れ」は当然として「タバコも恋人もポイ捨て厳禁」とか…

もちろん月参りであろう、おじいちゃんと孫らしい連れ合いがたくさんいました。地域の行事にも京都の町衆は結束強くて、この辺が京都の家の繋がりの強さかなあと思います。その分、よそ者は入りこみにくいのですが、まあそれは置いときましょう(笑)

急登を登りきると、表参道三軒めの東屋が立っています。水尾分かれです。ここから雪がだいぶ増してきました。



やが真っ直ぐな道の正面に、大きな門が見えてきました。「黒門」です。
3.雪の愛宕神社は荘厳な感じ

黒門を過ぎるとフィナーレは間近です。社務所前の参道には灯籠がずらりと並び壮観です。

そして雪のついた石段を上がると愛宕神社になります。家内安全をお参りします。祈祷を受ける人もいるようです。お守りが売っていたり、御朱印もこちらで描いてもらえるようです。

みなさん恐る恐る足を進めます。あまりチェーンスパイクをつけている人はいませんでしたが、つけた方が安心できるかもしれません。石段の上はダメなのかな?

お昼は休憩所で魔法瓶に入れたお湯でカップラーメンを食べました。社務所横でトイレを済ませてから休憩所を利用したのですが、コンロを使う場合は社務所に声をかけて欲しいとの張り紙がありました。

石段下のところにある休憩所にあった昔のバスの時刻表をみると、なんと便数の多いこと。でも今も1時間に一本あるのですから、まだなんとか耐えている方でしょう。まさか運転手がここまで不足する時代がくるとは思いませんでした。

3.月輪寺には鹿がいました!人気者のようです
休憩所と石段の間の道を進んでいると月輪寺(つきのわでら)への分岐がありました。ここでびっくりしたのが、

この注意喚起。「この先熊に注意して下さい」この先にいるのが確定のような書きっぷりでしょ。ギクッとしました。

少し行くと今回の山行で一番の見晴らしとなりました。京都市街を眼下にします。この写真には写っていませんが比叡山も見えました。外国人の男性も「Amazing!」と感嘆していました。

つづら折れの道を降りていますと、急に山腹を巻くような道となり小屋が見えてきました。月輪寺です。やたら注意書きが多いお寺なのですが、天然記念物のシャクナゲがあったり、親鸞聖人が手植えされたとされる枝垂桜もあったり、由緒正しいお寺のようです。そして何と言っても鹿がいるのです!

しばし鹿の写真を撮って、誰もいないのを見計らって声をかけたりしましたが、反応なし。この鹿は飼われているのだろうか?居ついてしまったのだろうか?

13時5分に月輪寺登り口に到着しました。ここからは林道です。頑張れば13時半のバスに乗れるかもしれない、と思い早足で登山口に向かいます。同じような思いの人も何人がいらっしゃって前後します。
なんとか13時29分にバス停に到着し速度を緩めると、バスの運転手さんに早く乗車するよう促されました。

嵐山に近づくと、さすが観光地京都。もうたくさんの人です。下の写真は渡月橋を渡っているときに下流方向を写したものですが、現在(2024年12月)は河川の改修が行われていて、渡月橋の写真を写すにはちょっと残念な景観でした。

愛宕山に登るなら雪のあるときに登りたいとずっと思っていました。今回表参道を歩いて京都の方の地元を愛する気持ちに触れたような気がします。色とりどりの花が供えられたお地蔵さん、雪が積もった寒そうなお地蔵さん、杉林の一本道の向こうに見える黒門、どれも伝統を感じるとともに人の気持ちがこもった素晴らしい景観でした。こういうところにも京都の良さと街の強さがあると再認識した次第です。
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