関西の雪山・御殿山 降雪直後はラッセルも楽しめる!


雪が降ったと聞くと、どこへ行こうかなんとなくそわそわしてしまいますよね。大阪から電車やバスでとなると、対象はかなり限られて来ますが、滋賀県の比良山系はいまだに健在です。自治体の公共交通システムを利用させてもらって葛川方面の坊村へ行き、御殿山を往復するコースをご紹介します。

御殿山の頂上 真っ白…
御殿山の頂上 真っ白…

■御殿山 2024/12/24
坊村(8:15/11:45)御殿山(11:50/13:35)坊村

1.坊村へアプローチ 乗合タクシー「光ルくん号」

比良の山に登るにはJR湖西線が一番便利ですが、最高峰の武奈ヶ岳に登るには距離があるため、葛川方面の坊村(ぼうむら)から登る人の方が多いようです。坊村には大きな駐車場があり、マイカーでのアプローチは良いのですが、公共交通機関のバスは冬季の運行はありません。(いつの間にかなくなってしまっていた…)

■坊村へのバス運航日(2024/12/24時点)
・江若バスの運行(堅田発)が春分の日から12月第1日曜日までの土日
・京都バスの運行(出町柳発)が3/15~12/15の土日、8/14~16

バスの廃便に対応するため大津市がデマンド型乗合タクシー「光ルくん号」を運行していました。運行は月〜土曜日で、現金・回数券のみに対応。事前の予約人数に合わせてタクシー台数を決め、運行する仕組みです。

坊村まで乗合タクシー「光ルくん号」に乗る
坊村まで乗合タクシー「光ルくん号」に乗る

大津市のデマンド型乗合タクシー

フリー運行が始まる「7時半にJR堅田駅前」にとあらかじめ予約をして、当日行きますと待っていてくれました「光ルくん号」。さっそく出発して運転手さんにいろいろ伺っていると、やはり病院や買い物への行き帰りに利用されていることが多いとのこと。私のような登山者の利用も多いということです。
坊村へは一人乗車だと800円、2人乗車だと550円になります。バスだと1,100円ですからそれより安いのです。業務を請け負っている琵琶湖タクシーとしても「赤字にはなっていません」とのこと。「滋賀県の北部でも同じような取り組みがなされていますよ」とのことでした。

坊村で光ルくん号を見送る
坊村で光ルくん号を見送る

2.坊村から御殿山へ 降雪直後でわかん装着

明王院まで行って大きな木の下で準備をします。一応冬用のハードシェルを上下着込み、靴も積雪期用の靴です。ちょっと大仰なようにも思いましたが、結果的にはよかったです。

明王院の赤い橋
明王院の赤い橋

出発は8時15分となりました。赤い橋を渡ってしばらくして右手の山道に入ります。雪が泥と混ざってぐちゃぐちゃですが、それもやがて雪道となりました。
途中でミドルウェアを脱いで、アンダーウェアの上に直接ハードウェアを着込みました。

青い空が見えたがこの一瞬だけ
青い空が見えたがこの一瞬だけ

一瞬だけ青空が見えたのですが、それも一瞬だけです。出発の時降っていたのは霧雨でしたが、代わりに雪となって、周りの景色が白くなってきました。

雪が深くなって来た
一面の雪景色です

ここまで先行者がお一人いたのですが雪が多くて引き返すとのこと。トップとなってしばらく進むと、オーバーズボンの裾に雪が入り込んでうっとおしいので、ロングスパッツとわかんを装着します。これで雪に関しては「無敵」な気分です。

スパッツとワカンを装着
スパッツとワカンを装着

薄いトレースとともに、基本的にはピンクのテープがあって、それを頼りにして進むのですが、それでも雪が地形を隠してしまって時々道を外してはピンクのテープを探し元のルートに戻るような遅々とした行程です。

かすかに残るトレースを追いかける
かすかに残るトレースをたどる

御殿山へは、積雪期ルートというのがあります。冬はみんなそちらを選択するのです。(というか積雪期にしか来たことがないので、無積雪期ルートは行ったことがない)

積雪期ルートへ
積雪期ルートは中央やや左の雪面へ

積雪期ルートは元々はブッシュが多いのか、雪の重みでブッシュが垂れ下がり、通せんぼすることが多くなりました。そして雪も深くなってきました。ふくらはぎくらいの深さかな。

積雪期ルートに進むと途端に雪が深くなった
積雪期ルートに進むと途端に雪が深くなった

標高900mくらいまで登ると、雪と風がきつくてトレース跡は全くわからなくなりました。標高950mまで来ると雪庇が出ていました。こんなところで雪庇が出ているのを始めて見ました。風の強い証拠ですね。

3.雪庇に膝ラッセルが待っていた!

雪庇が出ていた
雪庇が出ていた

時間がどんどんたっています。「御殿山の頂上はまだか、まだか」という気分ですが、雪はどんどん深くなってきてわかんで膝までのラッセルとなり、なかなか進みません。

雪のついたブッシュが通せんぼする
雪のついたブッシュが通せんぼする
膝までのラッセルだ〜
膝までのラッセルだ〜

午前11時45分視界が広がりました。御殿山の頂上です!

御殿山の頂上 真っ白…
御殿山の頂上 真っ白…

白状しますと、御殿山経由で武奈ヶ岳に行くつもりだったのですが、時間を大幅にオーバーしています。御殿山に10時半ごろに着いたら、武奈ヶ岳を目指していたかもしれませんが、1時間以上のオーバーです。ここから天気が良くなる気配もなく、考えることもありますまい。
「今日のところはこれくらいにしといたろ」とおとなしく引き返すことにしました。

とうぜん武奈ヶ岳の西南稜は見えません
とうぜん武奈ヶ岳の西南稜は見えません

帰りは往路を下るだけですが、風の強いところなどはトレースがすでになくなっていて、時々は道をロストしてしまいます。最後まで気が抜けません。

結局坊村についたのは午後1時35分ごろでした。すぐに琵琶湖タクシーに電話して午後2時45分の定期便「光ルくん号」の乗車を予約します。軒下を借りて服と靴を着替えてますと、結構な雨となりました。2時35分ごろにバス停に向かいますとタクシーがやってきてすぐに乗ることができました。
「光ルくん号」のシステムを見つけたのが今回の最大の収穫かもしれませんね。

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