積雪期の恵那山 展望いいよ!スノーモンスターも


広河原コース1700m付近で南アルプスの大展望!
広河原コース1700m付近で南アルプスの大展望!

恵那山は「がっかり百名山」と言われることも多いようです。確かに山頂はシラビソが茂っていて展望はありませんが、南アルプスや中央アルプス、御嶽や北アルプスなどを見ることができて、「思わぬ」展望に歓声を上げること間違いなしです。特に冬季は運が良ければシラビソにたっぷり雪がついてスノーモンスターが見えるかもしれませんよ!

恵那山に登るルートには4つあります。1.ウエストンが登ったとされる前宮ルート、2.深田久弥が登った黒井沢ルート(2025/1時点で通行禁止)、3.富士見台の神坂(みさか)峠からのルート、4.そして最も新しく、最短時間で登ることができる広河原から登るルートです。
今回は積雪期にポピュラーな広河原コースで日帰り登山です。アプローチはマイカーを使用しました。

■恵那山 2025/1/18
広河原臨時駐車場(6:50/11:05)恵那山2190頂上(11:10/11:30)恵那山2191頂上(11:30/11:45)2090頂上(12:00/14:35)広河原臨時駐車場

1.駐車場から広河原登山口まで

恵那山登山特設駐車場
広河原登山特設駐車場

名古屋方面からのアプローチだと中央道の園原ICを下りて15分ほどで冬季の臨時駐車場に到着します。めちゃくちゃ楽です。ナビの目的地を長野県阿智村の青木屋さんにするのがいいと思います。私が到着したのは6時半ごろでまだ空いていましたが、その後続々と車がやってきて7時頃には埋まってしまいました。

準備をして6時50分に出発です。月が青白く浮かんでいます。向こうに見えるピークはもしかして恵那山?ルートは車道から林道に入っていきます。

駐車場からの道 あれは恵那山?
駐車場からの道 あれは恵那山?

臨時駐車場から40分ほどで無積雪期の駐車場に着きました。トイレは閉鎖中です。登山届はこちらで出すことができます。私は山と自然ネットワークコンパスで届出済みです。

無積雪期の駐車場のトイレ
無積雪期の駐車場のトイレ

本日は良い天気ということもあり、放射冷却ですごく寒くなるのではと思っていましたが、それほどでもありません。しかし林道の水たまりには花のように咲いた氷の結晶ができていました。どういう摂理なのでしょうか。

氷の結晶
氷の結晶

トンネルを抜けてしばらくすると、広河原登山口に着きました。ここまで1時間10分かかっています。

トンネルを抜ける
トンネルを抜ける
広河原登山口
広河原登山口

林道から川に降りて木の橋を渡ります。橋の上には雪が積もっていてその上を小走りで渡り切りました。

広河原登山口の木の橋
広河原登山口の木の橋

2.広河原からの急登の後には南アの大展望

いきなりの急登でアイゼンをつけた
いきなりの急登でアイゼンをつけた

木の橋を渡って左上していくと右に折れるところで急登が始まりました。トレースがあることからワカンの出番はないでしょう。急なスロープ状の雪面なので迷わずアイゼンをつけます。

この急登は登山口からおよそ450m登ります。この間は我慢の時間ですね。1700m付近まで登ると、やっとのこと緩やかになりました。

少し緩やかになった
1700m付近で少し緩やかになった

樹間越しに白い山が見えます。あれは恵那山だろうか?とにかく中々正体を表さないのです。この辺りで木を登る小動物を見かけました。何だろうな?

樹間越しに恵那山?
樹間越しに恵那山?

なだらかになって、ラッセルの轍が明瞭になってきました。ほんと先人に感謝です。

ラッセルに感謝
トレースに感謝

そうこうしているうちに突然尾根の左手の視界が広がりました。おー!南アルプスだ!

広河原コース1700m付近で南アルプスの大展望!
広河原コース1700m付近で南アルプスの大展望!

南アルプスは仙丈ヶ岳、北岳から(たぶん)深南部の山々まで見えているのですが、中でも存在感が半端ないのは下の写真の悪沢岳、赤石岳そして聖岳のジャイアンツたちです。この山々、静岡の沼津アルプスからも見えたな。大きいことはそれだけで畏敬の念が湧いてくるというものです。

悪沢岳、赤石岳、聖岳
左から悪沢岳、赤石岳、聖岳

下の写真は1770m付近。

次の目標は2071ピークです
次の目標は2071ピークです

白い尾根で気持ち良さそうですが、笹の上に雪が乗っている状態なため、踏み外すとズボッてしまいます。この辺でだいぶ消耗してしまいました。

気持ち良い白く続く尾根(に見えるけど…)
気持ち良い白く続く尾根(に見えるけど…)

登るにつれて尾根の角度が変わったのか中央アルプスが見えてきました。
左側が木曽駒、宝剣などでギャップをはさんで右側が空木、南駒、越百。こう見てみると登っていない山のなんと多いことか。

中央アルプス
中央アルプス この角度から見るのは初めてです

シュカブラができているし、この辺りは小さな雪庇もできていました。
今日はほとんど無風ですが、本来はきっと風が強いのでしょう。

シュカブラもできている
シュカブラもできている

3.頂上はシラビソのスノーモンスター

だらだらと続く登りが精神的にこたえる
だらだらと続く登りが精神的にこたえる

地図上の2071は特に標識もありません。これまでより傾斜は緩くなったものの、地味な登りが続きます。しんどい、はっきり言って。メリハリなくこの辺は展望がきかない。
樹林には雪がたっぷりついていてとてもきれいです。これがなかったら休憩入れてへたってしまっていたかも。

恵那山のヤグラ
恵那山のヤグラ

やっとのこと頂上に到着しました。11時5分なので駐車場から4時間というところ。
ヤグラの上に登りましたが「う〜む、特にこれと言って見えない…」

櫓からの景色
櫓からの景色 特に何も見えない(笑)

地図上ではこちらのピークは三角点がありますが2190.3mで、この先にある避難小屋の裏手が2191mあるのです。
ヤグラは避難小屋裏手より高くするためのものではないでしょうか?

胞山の胞とは胎児を包んでいた胎盤や臍の緒などのこと
胞山の胞とは胎児を包んでいた胎盤や臍の緒などのこと

山名標識に胞山と小さく記されています。胞(えな)とは出産時に胎児を包んでいた膜や胎盤、臍の緒などのことだそうです。深田久弥氏はこのことを次のように解説しています。

恵那山は元は胞山で、イザナギ・イザナミの二神が天照大神をお生みになった時、その胞をこの山頂に納めたので、その山名ができたと言われている。

恵那山にもスノーモンスター
恵那山にもスノーモンスター

ヤグラから祠があり、その先へ進むとミニのスノーモンスターがありました。ちょっと雪が落ちているけど。だけど東北の西吾妻などで見たモンスターを思い出しました。
「ええやん、ええやん」と勝手に気分が上がってきました!

恵那山の避難小屋には近くに立派なトイレもあります。小屋の中にはストーブが1台ありまして、薪があれば快適に過ごすことができそうです。
さて最高点へ行きましょう。小屋裏手の岩場に上がってなおも尾根を進みますが、特にこれといった標識もありません。忘れ去られている最高点なのですね。

恵那山の避難小屋
恵那山の避難小屋

一旦ヤグラのあるところまで戻って、ラーメンを魔法瓶のお湯で作って食べました。流石にすぐに冷えるのか、ちょっと硬め麺でした…
12時にヤグラを出発します。どんどん人が登ってきます。男女の若者の一団は小屋に泊まる予定だそうだ。楽しそうだなあ。

下りは途中からアイゼンを外したら飛ぶように(滑るように)下ることができました。途中で気がついたのですが、御嶽や乗鞍、北ア南部の山々を見ることができました。

御嶽
御嶽 しばらく行っていないなあ
乗鞍と北ア南部の山々
乗鞍と北ア南部の山々

登山口には13時40分、駐車場には14時45分に到着しました。時間も早いので「湯ったり〜な昼神」で温泉に入ってから帰路につきました。

湯ったり〜な昼神は大人800円

最初にも書きましたが、恵那山は雪のある時に登る方がいいかもしれませんね。無積雪期なら草に隠れて展望はもう一つかもしれません。もし無積雪期に登るなら中津川駅からウエストンの登った前宮ルートが良さそうかなと思っています。

↓もしよければポチッとしてください。やる気になります。

登山ランキング
登山ランキング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP