
観光地として有名な大原から近い天ヶ森(812m)。別名としてナッチョと呼ばれています。ナッチョとは変わった名前です。2003年発行のヤマケイ関西ブックス「京都北山」は澤潔さんの推測として納所(ナッショ 年貢などを納めるところ)が変化した説を紹介しています。そうなのかな?
さて京都北山に雪が降ればいつかは行きたいと思っていた天ヶ森(ナッチョ)を目指すことにします。そして山奥深い集落の百井(ももい)も訪れたいと計画しました。京都北山のマイナーピークと人里離れた雪景色の集落を訪ねるコースです。
■京都北山・ナッチョ 2025/2/22
小出石バス停(9:20/12:15)ナッチョ(12:20/13:30)国道477号線出合(13:40/14:45)小出石バス停
1.京都バスの小出石バス停から出発 地理院地図に騙された(笑)

国際会館前から京都バス19系統のバスで小出石(こでいし)を目指します。大原までは多くの便があるのですが、その先の小出石へ行く便は日に4本ほどです。バスをご利用の際は事前調べが必要です。
ほとんどの人が大原で降り、2つ先の終点、小出石まで行くのは私だけでした。
小出石のバス停は交差点にお地蔵さんが祀られています。百井方面への国道477号線へ進みます。

この日は今シーズン最後の寒波が訪れている最中とあって、京都市内にも雪の予報が出ています。山の上もなんとなく時雨れて見えます。そんな中、山に登ろうというのはアホかと思われるでしょうが、大原に近いこの山に雪が積もるのを見計らってきた私としてはこんな日こそが決行にふさわしい日だと思われたのです。

しばらく歩いていますと右手のなだらかな斜面の入り口にポールが立っていました。ナッチョへの登り口です。この時なんと2人づれの若者男子が正面の斜面を登ろうとしておりました。「こんな日に」奇特な人がいるもんだなあ、さすが京都。なんだか妙に感心してしまいます。

この日私は、登山アプリ・ジオグラフィカの国土地理院地図を見ながらでしたので、若者男子とは「目的地が違うのかな」とあまり気にせずにもう一つ西の谷に付けられた破線のルートへ足を進めます。すぐに「(踏み跡が)薄いな」とは思っていたのですが…

やがて倒木などでさっぱりわからないようになってしまいました。544ピークから南にのびる尾根にとにかく上がれば傾斜もブッシュも緩くなりそうなので、作業道のような雪道を尾根の末端近くまで進んでから、無理やり斜面を上がって見ますと、あっけない感じで一般ルートと合流しました。

一般ルートめっちゃ快適でした。ヤマップもヤマレコも確かめてみますと、若者男子が取り付いていたあたりに一般ルートがあるようです。国土地理院地図はたまにこういうことありますよね。ちゃんとした下調べが必要でした。反省…

2.輪かんじき出動 スネまでのラッセルでナッチョ頂上へ
ルートには青や黄色のビニールの紐の目印が几帳面に結ばれています。この辺も「京都だなあ」と思わずにはいられません。他ではあまり見かけない種の目印です。

先ほどまで晴れ間が見えていたのですが、天気予報通り昼前から冷え込みがきつくなってきて、風雪が強まってきました。雪もスネぐらいまで潜るようになってきた時点で、輪かんじきの出動です。

730mくらいのポコを左から巻いて鞍部に出たところで見事な杉林が広がっていました。雪が付いているのがまた良いです。「きれいやな〜」とおもわず声を出してしまいました。

ビニールの紐の目印はマメに付けられているのですが、それでも時々は見失います。750くらいのポコをそのまま登り切ると防獣用のネットが尾根道につけられていました。ネットに沿って尾根道を下るとビニール紐を見つけました。

ネットは雪の重みで所々用をなさなくなっているのですが、そこを右に左に何度か行き来しながら行くと、尾根筋に上がりました。どうやらナッチョへの分岐のようです。風雪が激しくなってきました。

ここまで来たら行くしかありません。(わかんを付けて)スネくらいのラッセルを続けているとやがて頂上に着きました。大原の里10名山の大きな山名標識がありました。当然ながら展望はありません。冒頭触れたガイドブック「京都北山」には「展望がいい山」として紹介されていますが、樹木が育ったのかもしれません。

3.雪の百井の集落を目指す
早々に頂上を退散しました。来た道を戻ってもいいのですが「これだけの雪はそうそうないかも」と思い、百井の集落を目指すことにします。その方向にもビニール紐の目印は付けられていて「感謝!」です。


目印に従って、山腹をトラバースし。やがてやや細い尾根を少し下るとパッと視界が広がりました。林道です。

下りてきた道を振り返るとナッチョへの標識が雪に埋れていました。小出石のポールもそうでしたが、天ヶ森よりナッチョの方が登山者には馴染みがあるようですね。私もその一人ですが。

林道に出てもわかんラッセルが続きます。やがて森が途切れ田んぼが始まる場所に出たものの、その先にある道路には雪と防獣ネットで近づけそうもありません。林道をそのままラッセルしていると使われていないような民家(別荘?)の前を通り、小高い場所から集落を見下ろすことができました。百井の集落です。

「百井はかつて上質な鞍馬炭の産地として栄えたが、今は過疎化が進んいる」(ヤマケイ関西ブックス「京都北山」より)とは、20年以上前の記述だけど、あんまり変わっていないのかもしれない。逆にまだこうやって集落が維持されているのが奇跡のような気がします。
やがて国道477号線に出合いました。この時点で13時半。元の小出石に戻ることにします。出合の廃屋で魔法瓶のお湯でラーメンを作って食べたのですが、この廃屋は確かに窯がありました。この時は気づきませんでしたが、炭作りでしょうか?

国道477号線は酷道とも言われいるようですね。それでも軽トラックや百井の鶏料理店(興味ある〜)のマイクロバスが通るのを見かけました。

1時間少々で小出石バス停に着き、15時20分のバスで大原に出て、国際会館前へのバスに乗り換えて帰路につきました。
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