
朽木から南に目を転じると安曇川左岸にピークを連ねた山が見えます。これらの山々を繋ぐ登山道は、道標によると白倉連峰縦走路と名付けられているそうです。白倉岳(949m)、白倉中岳(940mくらい)、白倉南岳(941m)の三山が連なっているのですが、このうち白倉中岳には樹齢400年超とされる大きな芦生杉があるといいます。いつかは訪れてみたいと思っていたところ、雪が残る3月に訪れることができました。電車とバス利用の膝下ラッセル、ソロ山行です。
■白倉中岳 2025/3/20
村井バス停(8:45/11:45)白倉岳(12:00/12:10)白倉中岳(12:25/12:45)白倉南岳(12:45:12:55)東尾根分岐(12:55/14:10)栃生バス停
1.JR湖西線で安曇川まで、江若バスと高島市営バスを乗り継ぐ

高島市営バスに乗るため、6時31分京都発の近江今津行きに乗ります。3月下旬ともなるとずいぶん明るくなりました。
湖西線に揺られていると、比良山系の山々が真っ白です。前日の夜から雪が降ったのでした。わくわくするとともに、雪は深くないだろうか?いや、そんなことはあるまいと、その時は思っていたのでした(笑)。

JR安曇川駅で下車し7時39分発の江若バスに乗り(770円)、終点の朽木学校前で8時半発の高島市営バス生杉(おいすぎ)行き(220円)に乗り換えます。いずれも現金のみで、市営バスは両替できないので事前の用意が必要です。
下の写真は安曇川を渡る時に仰ぎ見た白倉連山です。

私は村井で下りましたが、西村井の方が登山口に近いです。下の写真で後ろに見える小屋前から登る道を進みました。

2.白倉中岳へ想像以上のラッセルとなった
しばらくは広い林道です。お地蔵さんが赤い前掛けをして並んでいて和みます。赤い前掛けが可愛いですね。

やがて松本地蔵というお堂がありました。道はその左につけられているようです。

新雪が朝の太陽の光を浴びてキラキラしています。気持ちの良い山の朝です。が、朝日に照らされて梢の雪がバンバン落ちてきます。暑くなってきてアンダーウェア1枚になりたいのですが、ソフトシェルを脱ぐのは雪爆弾がもう少し治ってからにしよう。

490のピークには行かずに左手につけられている道で鞍部に出ます。

つぼ足で進んでいたのですが、だんだんとスネくらいまで沈むようになってきました。545をすぎたあたりで、素直に輪かんじきを装着します。また木々からの雪爆弾が少なくなってきたので、アンダーウェア1枚になりました。

新雪がサラサラで気持ちいい森の中のラッセルです。

白倉連峰の稜線には夏道通しだと左に左上するように鞍部に出ますが、雪のついたこの時ははっきりルートが見通せないので、そのまま稜線を目指します。

ここまでテープによる目印はありましたが、この連峰縦走路に出たとたん、立派な標識が現れました。ここで村井からの夏道が合流するようです。

しばらく行くと烏帽子岳があってちょっと下ると烏帽子峠。道標には朽木小川への矢印が出ています。ここは高島トレイルの一部なのだとこの時きづきました。

下の写真のようにムックリとした雪庇状の雪の張り出しがあったり、一部カリカリのところがあったりします。きっと悪天時は風がきついのでしょう。

ピークをいくつも越えて行きます。基本的にこのルートは展望がききません。ピークを超えてもまたピークが出てきます。

烏帽子峠から3つピークを超えて、もうそろそろ白倉岳と思っていたら、急登が現れました。ここにはロープが雪に埋もれています。傾斜は急ですし、ワカンでキックステップしても、雪の層が薄くて十分蹴り込むことができず、ずるずると滑ります。ここはロープを頼って力づくで体をあげました。

力づくで体をあげると間もなくして、ぽっかりとした空間に出ました。これが白倉岳です。

3.大いなる白倉中岳の芦生杉 樹齢は400年超!
そのまま歩き、コルに降りてまた上がると、前方に何か巨大な塊が目に入りました。最初は何かわからなかったのですが…

出た〜!白倉中岳の芦生杉です。でっか〜い。

特に下の写真の幹は肉厚的で、しかも大きなカーブを描き力強くもたげています。なにか計り知れない生命力を感じてしまいますね。


いつの間にか青空はなくなり寒くなったので、ソフトシェルを着込みました。目的とした白倉中岳に無事到達しました。ここで来た道を戻るか、予定通り栃生(とちゅう)まで足を伸ばして下山するか悩みましたが、先ほどのロープ頼りによじ登ったところが嫌だなと思うのと、ここまでくれば栃生まで行ったほうが早そうだと計算し、このまま突っ込むことにしました。
問題はバスに間に合うかどうかです。14時台は16分と44分にバスがありますが、それを逃すと17時21分までありません。村井まで歩けば16時20分に便がありますが、それはできたら避けたいところ。

白倉南岳を超えて次のピークで東尾根の分岐に出ました。

ここから見る東尾根は白い尾根となっています。そのうち植林地の中にユズリハが生えている場所がありました。
750m付近や630m付近、553m付近など迷いそうなところが結構ありましたので、読図かGPSが必要です。また薄い雪が滑りやすくて備えられたロープ頼りに下ることも多かったです。私は案の定こけて泥んこになってしまいました。

車道に出たら14時過ぎで、急いで栃生のバス停まで行って14時16分のバスに乗ることができました。(このためこの辺りの写真が全然ない)栃生には水汲み場があって水を汲んでいる人がいらっしゃいました。祠もあって大事にされているところなんだとわかります。次来る時は飲んでみたいです。
芦生杉を見ることができたし、ラッセルも頑張れたので、今の私には十分な山行となりました。大満足な山行でありました。
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