
白髪岳の紹介とアプローチ、コースタイム
丹波篠山は周囲を山に囲まれた盆地で、北には三嶽(御嶽)や小金ヶ岳などの多紀連山があり、南西側にあるのが白髪岳です。標高は721mあって、関西百名山に選ばれています。「しらがだけ」なんて爺むさい名前だなあと思っていましたが、登ってみると岩場があってスリルを楽しめるし、眺望もとても良くて、行ってよかったなあと思います。あんまり人にも会わないので、静かな山登りができると思います。
コースタイムは古市駅から白髪岳まで2時間20分、松尾山まで3時間10分(山と渓谷社のガイドブックより)。松尾山から篠山口駅まで2時間ほどでした。
なんと言っても駅から登れて駅へ下りられるのが気楽ですよね。最寄りのJR古市駅は丹波路快速に乗って大阪駅から1時間少々で到着するので、フラッと思い立って行く山としてリストアップしておくのも良いと思います。
■丹波・白髪岳 2025/8/9
JR古市駅(8:15/10:10)白髪岳(10:20/11:10)松尾山(11:10/13:00)JR篠山口駅
JR古市駅から徒歩1時間で登山口へ

大阪駅から丹波路快速に乗って1時間少々で古市駅に着きました。8時8分でした。駅の外にトイレはありましたが、売店等はありません。
古市は宿場町だったらしく、なんとなく道幅や家の雰囲気が街道っぽいなあと思っていましたら、辻の立石がありました。
「左 大阪 有馬」「右 播磨道」もう一面には「すぐ 京・丹後・但馬道」と刻まれています。「すぐ」とは真っ直ぐ行けばの意味らしいです。古市は交通の要衝だったのですね。残念ながらこの道標は2013年6月に交通事故による全壊したもののレプリカだとのこと。元の道標は破片をつなぎ合わせたものが宗玄寺に保存されているそうです。
昔の街道だった-1.jpg)
丹波篠山市による案内板が道案内してくれます。

道沿いの田んぼでは稲穂が頭を垂れているものもあって、このまま順調に収穫されて欲しいという気持ちになりました。あんまりこうしたことを考えたことがないのですが、これも米不足と猛暑の仕業ですね。
住山の集落に差し掛かると、割と広めの駐車場がありましたが、この日は1台もなくそうと気付かす写真を撮るのを忘れてしまいました。
そこからしばらく行くと分岐です。右は松尾山へ。周回する方は右の道に下りてきます。目指す白髪岳は左へ進みます。それにしてもガスが湧いていてあんまりお天気が良くないですね。午前が晴れると思っていたのですけど。

丹波といえば丹波栗です。立派な栗の木があって、青々としたイガグリがたくさんなっていました。秋の季節になるともっと重たげになるのでしょう。

林道終点から30分ほど歩きますとやっと登山口に到着しました。東屋があって休憩に良いところです。

いきなりの急登、そしてロープ場の岩尾根へ

さて登山口からいきなり急登が始まりました。なかなかのものですよ、この急登は。ロープが道に沿って張られているのですが、あまりの急さにロープを頼りにしながらの登りとなりました。
下の写真はロープを咥えている木です。どういう経緯でこうなったのかわかりませんが、急登に歯を食いしばっていた時だけに、なんか共感できました(笑)

200mほど高度を上げると、さすがに傾斜が緩やかになりました。下の写真は610mあたりです。ベンチがありました。行程中、こうしたベンチがところどころにありました。

しばらくは緩やかでしたが、再び尾根が立ってきたところでロープのお出ましです。ロープに沿って右上していきます。三点支持で登るぶんには難しくはありません。下りはちょっと嫌ですね。


岩尾根はまだ続きます。おもしろくなってきたぞ!

目の前に大きな壁が立ちはだかりました。そこそこのスケールがあって、ロープがなければ危険です。さて、どうするのかなと思っていたら、右手にロープの末端が見えました。


トラバースするように進んで、行き詰まりをエイッとひと登りすると、岩塔の上に到達しました。

白髪岳頂上は展望よし 松尾山へ縦走

岩塔からしばらくで白髪岳の頂上です。10時10分です。二等三角点がありました。展望はすこぶるよく、遠くの山まで見渡すことができます。
下の写真は丹波篠山の盆地をはさんで北側の多紀連山です。おそらく左手の一番高い山が三嶽(御嶽)と思われます。

南に目を移すと虚空蔵山(592m)を見下ろすことができます。白髪岳との標高差は130mくらいあるのですが、こんなに、と思うほど見下ろします。

白髪岳からは激下りです。両側にロープがあって通路のようになっています。

689mのピークは地図上はなんの表記もありませんが、水山というのだそうです。

松尾山の手前には分岐がありました。左は文保寺、右は住山に戻ります。松尾山はまっすぐです。

松尾山の頂上に着きました。別名高仙寺山です。戦国時代の武将、酒井氏が治めていたことから「酒井城跡」の標識が立っています。ここからの縦走路は1577年(天正6年)の明智光秀の丹波攻めにあった戦国時代の山城が尾根上に点々としています。

音羽山、火とぼし山へ縦走 JR篠山口駅へ

肩越の辻に着きます。左へ進む「文保寺よりJR篠山口駅へ」に誘われそうですが、縦走するには右手の小道に入り進みます。
下の写真は音羽山から篠山盆地を見下ろしたところです。篠山盆地は京都に近いことから、京都になぞらえた地名が多く名付けられているそうです。こちらの音羽山も盆地の西方に位置し、音羽の滝があって、山紅葉の名所でもあるのです。京都ブランドはいつの時代も強いのですね。

さて火とぼし山、大沢城跡を経て、少しの登り返しで最後の禄庄城跡です。今ごろ晴れてきた。しかしかんかん照りの中、登るよりよかったかもしれない。

八幡神社を過ぎると、急に新興住宅街が現れ、ほんとすぐに篠山口駅に着きました。駅には翌週に迫ったデカンショ祭りの提灯が掲げられていました。しかし、この駅前は全く街の中心部から外れているらしく(バスで15分とのこと)、まったく戦国時代の趣に触れることができませんでした。読みがあいかわらず甘い…

冒頭にも書きましたが、駅から登れて駅に下れるって本当に気が楽です。さらに大阪駅まで1時間少々。篠山の中心部には、風情溢れる街並みもあるそうですし、今度はゆっくり城下町散策するのもいいなと思いました。明智の丹波攻めには数多くのストーリがあるようで興味がつきません。丹波篠山。今更ながら穴場かもしれないと思いました。食べ物も美味しいし…でも高いかな?
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