
比叡山といえば延暦寺と最澄、天台宗。桓武天皇が平安京に遷都する際に都の鬼門(北東)にあたる比叡山に延暦寺を建設させ、都を守る役割を担わせたと言われています。高野山の空海の真言宗と並び、教科書に載っている日本の最重要寺院です。
それと1571年の織田信長による「延暦寺焼き討ち」はあまりにも有名ですよね。
比叡山のアクセスとコースタイム
比叡山は大比叡(おおひえい、848m)と四明岳(しめいだけ、838m)の双耳峰からなり、比叡山はその総称です。
アプローチは京都側からは叡山ケーブルと叡山ロープウェイが山頂近くまで。滋賀側からも延暦寺まで坂本ケーブルが通っています。
また、京都バスが京都駅や京阪主要駅から比叡山頂や延暦寺バスセンターを結んでいます。
比叡山ドライブウェイでマイカーでのアクセスも良好です。
登山ルートしては、修学院から歩き出し、親鸞や法然など名僧が歩いたと言われている「雲母坂(きららざか)」から大比叡の山頂に至り、延暦寺を参って、表参道を下り日吉神社へ。そして坂本からJRに乗るルートが歩きごたえもあって、良いのではないでしょうか。その逆もありです。
ハイキングマップによると
1.叡山電車「修学院駅」から比叡山頂バス停まで160分。
2.比叡山頂バス停から根本中堂などが並ぶ延暦寺東塔まで40分。(三角点経由しない)※
3.延暦寺東塔から京阪「坂本比叡山口」まで80分。
※下記の実歩行では2.を差し替え:比叡山頂バス停から大比叡の三角点を経由して延暦寺東塔へは実歩行タイムで約1時間でした。
■大比叡 2025/11/14 実歩行タイム
修学院駅前バス停(8:30/10:50)ケーブル比叡(10:50/11:20)比叡山頂バス停(11:20/11:30)大比叡(11:30/12:05)東塔(12:35/13:45)JR比叡山坂本
距離:14.9km
登り:862m.下り:845m
修学院駅からケーブル比叡まで

出発地は叡山電車の修学院駅です。(私は京阪の祇園四条から京都バスの修学院駅前バス停までバスに乗りました)
白川通を北に少し上がってから、音羽川を比叡山に向かって歩いて行くのですが…

ちょっとトイレがしたくなったのでアプリの地図でトイレマークが出ている赤山禅院(せきざんぜんいん)に寄り道します。お寺の前に観光トイレがあって人心地つきました。せっかくですので赤山禅院も一回りさせていただきました。このお寺は延暦寺の塔頭の一つで、赤山大明神は表鬼門の鎮守として祀られてきました。

もっとゆっくりしたいところですが、先はまだまだ長いので雲母坂を目指します。

音羽川の突き当たり近くで、比叡山登山口がありました。

ここからはえらく掘られたV字谷の道となります。雲母坂は平安時代より比叡山と都を結ぶ主要路として賑わい、親鸞や法然も歩いたとされるいわれの多い道です。名前の由来は、花崗岩に含まれるキラキラした雲母からとのこと。
しかしキラキラしたものは目につきませんでしたね。それより道がえらく掘られていて、V字谷のようになっている区間が長かったです。こういう道って、なんとなく陰鬱な気分になるのですよね。

ようやく尾根筋に出て、緩やかな道となりました。

水飲対陣跡碑という石碑が立っています。太平記によると、後醍醐天皇の信任厚かった千種忠顕という武将が亡くなった場所とのこと。足利尊氏に攻められた官軍がこの場所で交戦しましたが、尊氏軍に背後から突かれ、官軍は全滅したとのことです。尊氏恐るべしです。

紅葉はどうなのかなと思っていたのですが、ここまで上がると赤みが増して来ましたよ。

直接比叡山頂を目指すこともできますが、ここは開発された比叡山を見ておこうと、ケーブル比叡経由で行くことにします。

観光地を横目に、最高点「大比叡」まで歩く
ケーブル比叡には写真スポットでよくある、ローマ字で地名をかたどったモニュメント(?)がありました。この日は写真をとっているのは私だけでした(笑)

ケーブルからロープウェイに乗り換えると、比叡山頂までの高度差をほぼ獲得することができます。

ロープウェイを上に見上げてしばらく行くと、今度は「比叡山人工スキー場跡」に到着しました。思わず「ちっさ」と声に出してしまいました。暖冬の影響で2001年の冬のシーズンで営業終了となったそうです。まあスキー人口が減って、スキー場はどこも大変ですからね。

う〜ん、いい!紅葉がきれいだ。

ガーデンミュージアム比叡というのは人気があるのでしょうか。印象画の陶板画があるそうです。冬季は休業するようですね。比叡山の双耳峰の一つ、四明岳の三角点(838m)はこのガーデンの中にあります。
さて比叡山頂バス停に到着しました。ここから京都駅や三条京阪などにも出ることができるのですね。大きな駐車場もあります。登山者は完全に少数派です。比叡山の双耳峰の真ん中の凹んだところがこの駐車場ということか。

これは京都北山の方面を見下ろしたところ。少し町っぽく見えるのは大原ですかね?
さてハイキングマップはここから直接延暦寺を目指しますが、私は三角点のある大比叡経由で延暦寺へ行くことにします。

バス停の写真で屋根の向こうにこんもりした山が大比叡のピークでした。駐車場の脇の舗装道路から登り、途中で右手に入ってくる道路を進むと到着しました。展望も何にもない、ただ三角点があるだけのピークです。

付近にはテレビ局の比叡山中継所というのがありました。

さすがの延暦寺の紅葉 心まで赤く染まりそう
さて延暦寺の方に降りていきますとさっそく紅葉が始まりました。

あ〜すごいすごい、真っ赤だ〜

下の写真のもみじが一番だったなあ。もう全身が赤く染まりそうな、そんな力がありました。

根本中堂は残念ながら修理中。2026年には修理が終わるとのこと。
ちなみに私は登山の行きがかり上、ふらりと延暦寺に入って来ました(スルーは許されています)が、拝観するには巡拝料として1,000円を支払います。根本中堂の中をみるには巡拝料を支払う必要があるようでした。国宝殿を見るにはさらに500円必要です。修理が終わったらゆっくり見に来てもいいかなと一瞬だけ思いました。

ちょうどお昼時でお腹が空きました。境内の中に「鶴喜そば」がありましたので、暖かいお蕎麦をいただきました。なんということはない山菜そばなのですが、名前は「比叡山」と大仰な名前がついています(笑)。850円とリーズナブルな価格でした。


そこからは表参道と呼ばれる道を通って坂本へ降りていきます。

ほどなく日吉神社へ。

参道を二の鳥居まで降りてくるとお蕎麦やさんがありました。延暦寺で食べた鶴喜そばも左の道路奥にあります。手前のそば屋さんも行った事ありますが、昭和レトロな雰囲気が味わえます。

さてそこからJR比叡山坂本まで下りて、ハイキングは終了です。
比叡山の紅葉はやっぱりよかったです。観光地として捉えているとなかなか足が向きませんが、行ってみると登山道を歩く人はかなり少なくて、静かな山を楽しむことができます。それも教科書に載っているような所ですので、一度は訪れても良いと思いました。空海の高野山と比べて見ても良いかもしれません。
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