
丹沢の紹介とアクセス、コースタイム
関東の人にとって高尾山とともになじみが深い山域といえば、まず「丹沢」と「奥多摩」でしょう。どちらもアクセスが良い山でありながら、意外と奥深く、稜線をつなげていけば、自分こだわりのコースをとることができるのが魅力的です。
ちなみに丹沢山域で最も標高が高いのは「蛭ヶ岳」(1,673m)で、塔ノ岳から北へ丹沢山を越えてさらに足を延ばさなければなりません。日本百名山のピークとされるのは「丹沢山」で、ちょっとややこしいでしね。
私が百名山の一つに丹沢山(丹沢山というのは山塊中の一峰である)を取り上げたのは、個々の峰ではなく、全体としての立派さからである。(中略)ただ表尾根を歩くだけでなく、その奥深く入れば、山の規模は大きく複雑で、容易にその全貌をつかめない。(深田久弥「日本百名山」より)
丹沢の最もポピュラーのコースは「大倉尾根」です。通称「バカ尾根」とも呼ばれているとおり、とにかく登りが続く尾根です。今回は小田急急行「渋沢」駅から大倉までバスに乗り、大倉尾根を登って塔ノ岳(1,491m)の頂上へ。ここまでコースタイムで3時間10分(ガイドブックより)。その後は「表尾根」を下り、ヤビツ峠へ至り、バスに乗る計画をご紹介します。表尾根は途中にヤセ尾根もあって変化があって楽しい尾根です。
一つ注意したいのは丹沢全体にヒルの被害が出ていることです。春から秋の暖かい時期は、注意した方が良いですね。
深田氏は大倉尾根のことには一切触れておらず、丹沢山塊東に位置する大山とそれに続く表尾根のことに触れています。時代が違うとメインルートも違うのかもしれません。
■丹沢・塔ノ岳(2021/10/10)
大倉(7:45/9:40)塔ノ岳(10:35/13:40)ヤビツ峠
大倉バス停から「ばか尾根」を登る
天気予報は「曇りで、昼から回復して晴れ間がのぞく」を信じ、曇り空のもと代々木上原の駅で小田急線に乗り換えて丹沢を目指します。渋沢駅でバスに乗って大倉登山口へ。登路とする大倉尾根は「ばか尾根」と呼ばれています。

途中には緩やかなところもありますが、基本は「ばか尾根」です。


見晴茶屋を過ぎるとがぜん傾斜が急になった。

ぐんぐん高度を上げていきます。植生保護のために木道や階段が設置されています。段差が少なく丁寧な仕事をしています。


大倉尾根の途中には高尾山同様に、(先ほど写真で紹介した見晴茶屋のほか)堀山の家、花立山荘と多くの茶屋があります。関西人の私にはもうその数にびっくりする次第です。それだけ登山人口というか人口が多いということなのですね。
さらに見晴茶屋から少し離れたところに、秦野市が管理する大倉高原テントサイトがあります。20張くらいは晴れるそうです。詳しくは秦野市のHPをご覧ください。こうした施設も長い縦走を考えるときに役立ちそうです。


塔ノ岳は本当は見晴らしが良いのだが…
途中から雨に降られます。
やがて塔ノ岳の頂上に着きました。登る途中は霧雨のような天気でしたが、頂上に着いた時にはまあまあな雨粒となりました。

ついに雨具を取り出して着込みました。魔法瓶に入れてきたお湯で素早くカップラーメンを食べてすぐに出発。
同じ道を下るのもなんですので、表尾根を下って、ヤビツ峠へ向かうことにしました。ヤビツ峠のバスは14時台には34分と51分の2便あるようです。
塔ノ岳から表尾根を下り、ヤビツ峠バス停へ

表尾根は途中で切れ落ちた細尾根が出てきたり、鎖場が出てきます。丹沢自体は崩壊地形なのでしょうか。丹沢は関東大震災の震源地として有名になったと、日本百名山に書かれていました。
またもや途中で茶屋がありました。そして三ノ塔の避難小屋は大きくて立派でした。中から賑やかな声が聞こえてきます。あとから聞いた話によると、ヤビツ峠から登ってきた人は、雨で塔ノ岳を諦め、三ノ塔の小屋で引き返す人もいたとか。また漏れ聞こえた話では「ヒルにやられた」とも。

結局13時半ごろにヤビツ峠に到着しました。下山すると晴れ間が出てくるいつものパターンです。峠には自転車やバイクの愛好者がたくさんいらっしゃいました。カフェなんかもできたようですが、一人だし遠慮しました。

やっぱり雨とガスでは、もう一つ記憶に残りません。丹沢自体は他にも色々コースがあるようですので、いつかリベンジですね、これは。
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