栗駒山系・産女川上流部の沢登り 土砂降りの栗駒山


なめを下る
なめを下る

栗駒山と産女川の紹介

栗駒山は宮城、岩手、秋田の県境にある山で、標高は1,626m。日本二百名山に選ばれていますが、ややマイナーな山です。しかし秋の紅葉は素晴らしく、テレビで「神の絨毯」と紹介されて、多くの登山者が訪れることになったという。
宮城県の「いわかがみ平」登山口から、登りは東栗駒コース、下りは中央コースを歩くコースが「神の絨毯」満喫コースとされているそうです。

そんな栗駒山ですが、沢登りをする人が憧れる沢を擁しています。産女川(うぶすめがわ)、日本百名谷で岩崎元郎さんが紹介している沢です。

未知の谷、滑滝が連続すると言っても、そこはたおやかな東北脊梁山脈の一座、たかだか1627.7mの栗駒山に端を発する谷でしかない。掘り込みは浅く、明るく伸びやかだ。それこそ産女川の魅力なのだ。

そんな産女川に仙台在住の登山仲間が新人トレーニングに行くと聞き込んで、パーティーに入れてもらいました。前夜に仙台で合流し車で須川温泉まで。東京在住時の2023年8月の山行です。

■産女川源流と栗駒山 2023/8/5
須川温泉登山口(5:45/7:30)笊森の避難小屋(8:10/10:30)産女川引き返し点(11:00/14:40)栗駒山(14:45/16:15)須川温泉登山口

須川温泉から笊森の避難小屋へ

須川温泉の駐車場
須川温泉の駐車場

朝起きると快晴です。須川温泉は昨夜ついたときにはわからなかったのですが、旅館すぐのところで温泉が湯煙をモクモク出しています。硫黄の匂いも漂います。

須川温泉は煙がもくもく
須川温泉は煙がもくもく

登山口からしばらくいくと名残ヶ原というひらけたところに出ました。気落ちいい朝です。

名残ヶ原
名残ヶ原

左手を見ますと、東北の山々が見えます。たぶん焼石岳です。焼石岳をこの目で見て存在を確かめるのは生まれて初めてです。日本百名谷で岩崎さんも言っていますが、神室、虎毛、栗駒、焼石は高さがないため、いかにも地味なのだけど、どれも魅力的な山として再認識されているようです。焼石岳のお花畑も素晴らしいですよね。

焼石岳が見える
焼石岳が見える
笊森の避難小屋が見えた
笊森の避難小屋が見えた

笊森の避難小屋で身支度を整えて、産女(うぶすめ)川へ下っていきます。

産女川は沢屋のバイブル「日本百名谷」に収録される名渓でしたが、2008年の岩手・宮城内陸地震で大崩壊が起きて、渓相がすっかり変わってしまったとのこと。今回は上流から一旦下りて登り返す計画です。

産女川源流域へ 大崩壊後の姿は?

産女川源流へ
産女川源流へ
イワイチョウかな
イワイチョウかな

降りだしてしばらくした頃に滝が出てきました。懸垂下降をすることにします。新人君はいきなりの懸垂下降に戸惑い気味。別にいじめているわけではありませんよ。

懸垂下降する
懸垂下降する

その下はトユ城の滝を降りていき、最後は大きな淵に飛び込みました。新人君は飛び込んだ後、なぜかバタフライを決めていました!バタフライですよ!

淵に飛び込む
淵に飛び込む
飛び込み後、なめを下る
飛び込み後、なめを下る
なめを下る
なめを下る

本当は大崩壊地を目にしたかったのですが、時間的に10時半をタイムリミットとして引き返すことにします。

下ってきた時よりやっぱり登りの方が沢の姿形をよく見ることができます。階段状のナメ滝とか綺麗ですね。

階段状のナメ 綺麗だ
階段状のナメ 綺麗だ

さて写真はもう源頭部まで飛んでいますが、下りの時に飛び込んだ滝が出てきて、友人が滝下で泳ぎながらホールドを探しましたが断念しました。「では巻こうか」となるのですが、草付きが滑って怖くて躊躇してしまいました。う〜ん、どうしよう。結局細いブッシュをビレー点にしてロープを張ることにしました。ハードな巻きでした。

源頭まで戻って来た
源頭まで戻って来た

天候急変で土砂降りの中の栗駒山登頂

アキノキリンソウ
アキノキリンソウ

さてあとは下山だけですが、せっかく栗駒山まで来たので、私だけ山頂を目指すことにします。歩き始めた途端に雨が降って来ました。そのうち雷がゴロゴロと鳴ってきました。

栗駒山がにわかに曇って来た
栗駒山がにわかに曇って来た
キンコウカ
キンコウカ

本当はとても雄大でお花畑も綺麗のでしょうが、とても楽しむ余裕がありません。雷はまだゴロゴロとなっています。それに時々ピカッと稲妻も光るようになりました。山頂に着いても写真を何枚かとったらすぐに下山です。

栗駒山山頂
栗駒山山頂

帰りは土砂降りとなりました。道が沢筋のようです。沢登りの装備でよかった〜。

豪雨になってしまう
豪雨になってしまう

須川温泉は日帰りの浴場は内風呂は16時まででした。私は5分前に到着したら入れてくれました。700円。乳白色でPH2.2の強酸性ということです。いいお湯だったな〜

友人らと合流して車を走らせ、あらためて真湯温泉にも入りました。600円。こちらは森の中の露天風呂がいい雰囲気でした。最後は一ノ関まで送ってもらい18時38分の新幹線に飛び乗って21時前に上野駅に到着でした。

沢登りは産女川の良さの一端を知ることができました。栗駒山の山頂は雨でしたが、ずぶ濡れもまたいい思い出となりました。「神の絨毯」と噂の秋の紅葉の頃に再訪したいものです。


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