3月の谷川岳 強風の天神尾根をピストン


トマの耳が幻想的だ

谷川岳は標高1,963m。日本百名山に選ばれています。
しかしそれ以上に登山する人、特にクライミングする人にとって、ちょっと特別な存在です。数多あるエピソードは一の倉沢衝立岩など谷川岳の東面にそびえる岩壁を舞台とします。
映画やドラマにもなった小説「クライマーズ・ハイ」でも主人公が衝立岩を登攀するシーンがありました。深田久弥氏の「日本百名山」でも、それが章の冒頭部分となっています。

これほど有名になった山もあるまい。しかもそれが「魔の山」という刻印によってである。いま手元に正確な調査はないが、今日までに谷川岳で遭難死した人は二百数十人に及ぶという。そしてなおその後を絶たない。(深田久弥:日本百名山より)

それほど恐れられているにも拘らず、山開きの日には数百人がおしかけて、行列登山をしているさまが新聞の写真で報じられる。(深田久弥:日本百名山より)

そんな危険なイメージがあった関西人の私ですが、谷川岳にロープウェイがあって、冬季でも条件が良ければ、日帰りで登ることができるということを知りました。風が強い予報が出ていますが、行ってみることにしました。初めての谷川岳です。コロナ禍がまだ猛威を振るっていた2022年3月の山行です。

■谷川岳 2022/3/12
天神平(9:35/11:35)トマノ耳・オキノ耳(11:40/13:15)天神平

ロープウェイで天神平駅へ 

天神平駅の前は準備する人がいっぱい
天神平駅の前は準備する人がいっぱい

新幹線とバス、ロープウェイを乗り継いで天神平(スキー場)で降りると一面の雪景色です。何度も思いますが、関東のこのアクセス充実度はすごいと思います。今回は耐風姿勢をとるかもしれないということで、ストックではなくピッケルを持ってきました。

まずは目の前の尾根に上がる
まずは目の前の尾根に上がる

スキー場の横を登って行きます。すでに大勢の人が上り下りしているのでトレースはしっかり踏み固められています。

山頂はやっぱりガスで見えません。下山してきた方に聞くと「風が強くて、途中で引き返してきました」とのこと。え〜!そんなに!天気予報では標高2,000mで風速19mくらいでした。そう言われると予報通りかもしれません。

谷川岳の山頂はガスっている
谷川岳の山頂はガスっている

たしかに上へ登るにつれてどんどん風が強まってきました。吹き飛ばされるほどではありませんが、よろける場面は何度かありました。

ガスの天神尾根を肩ノ小屋目指して登る

避難小屋へ一旦下る
熊穴沢避難小屋へ一旦下る
小屋は雪の中
熊穴沢避難小屋は雪の中

他の登山者が谷間を指差して写真をとっているのでなんだろうと思っていると、谷間にニョキッと人工物が立っています。これは関越トンネルの空気孔だそうです。沢を登っていてこれが出てきたらさぞ 辟易とするでしょうね。実際はどうなんでしょうか。

関越トンネルの空気穴が見えている
関越トンネルの空気穴が見えている(下山時に撮影)
だいぶ登ってきた
だいぶ登ってきた

写真は晴れた一瞬に撮っているので、わかりにくいかもしれませんが、ほとんどガスっていて前方の人が見えたり見えなかったりです。

スキーの人もいる
スキーの人もいる

やがて急斜面を登りきると肩の小屋に着きました。

肩ノ小屋には寄らずに進む
肩ノ小屋には寄らずに進む

トマの耳、オキの耳に登頂!

ガスで全然前方が見えませんでしたが。切れ間に標識が見えました。トマノ耳の頂上はあの標識の先にあるはずです。

ガスっていたので標識は助かった
ガスっていたので標識は助かった

谷川岳は双子峰で「トマノ耳」と「オキノ耳」があります。トマノ耳に登ると、ガスの切れ目に今度は「オキノ耳」が見えました。近いな。よし、「オキノ耳」も登るぞ。

トマの耳の頂上標識
トマの耳の頂上標識

オキの耳に下りだすと雪庇が割れていました。トレースは離れてつけられているので危なくはありませんが、気を引き締めるきっかけになりました。

オキの耳に向かうと雪庇が切れている
オキの耳に向かうと雪庇が切れている

オキの耳はあと少し。急登を登れば頂上でした。

オキの耳はあと少し
オキの耳はあと少し

オキノ耳の頂上から戻り出すと、先ほど登った「トマノ耳」が見えました。これが格好よかった〜!幻想的な風景です。天国への発射台のようです(例えがちょっと縁起でもない)

トマの耳が見えた幻想的だ
トマの耳が見えた幻想的だ

まだまだ登ってくる人がいる人気の山

肩ノ小屋を見下ろす
肩ノ小屋を見下ろす

それからはどんどん下って行きます。それにしても、まだまだ登って来る人がいます。天神尾根では山スキーの人はいるし、尾根上で早くもテント泊の準備をしているパーティーも複数いたし、雪洞を掘っているパーティーもいました。スキー場横では雪上訓練をしているグループも。豊富な雪とアクセスの良さが羨ましいです。

まだまだ登ってくる人がいる
まだまだ登ってくる人がいる

13時15分に天神平に着きました。ガスがやや晴れて、谷川岳の双子峰が見えました。下山後あるあるですね。まあ、風には吹かれましたが、久しぶりに雪山にきた実感が湧きました。

天神平から谷川岳が全貌を現した。下山後のお約束
天神平から谷川岳が全貌を現した。下山後のお約束

しかし谷川岳というネーム・バリューと今回の「天神尾根からの日帰り登山」との間に、どうもギャップがあってしっくりきません。
西黒尾根から登ったら充実したかな?単独では無理はできないし、コロナ明けでまた来たいと思いました。衝立岩も見てみたいし、この辺りの沢も行ったことがないし。

深田久弥は人多きゆえにげんなりしていたようですけど、人それぞれに楽しむことができる「近くて良き山なり」(大島亮吉)なのは間違いないですね。

ちなみに2024年5月に谷川主脈縦走で、再訪しています↓


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