9月の筑波山 自然探究路の美林と巨石巡りが楽しい


弁慶七戻り
弁慶七戻り

筑波(つくば)山は標高877mと、日本百名山の中で最も低い山です。深田久弥も「日本百名山」の筑波山の項ではこんな風な出だしです。

筑波山を日本百名山の一つに選んだことに不満な人があるかもしれない。高さ千米にも足りない、こんな通俗的な山を挙げるぐらいなら、他にもっと適当な名山がいくらでもあるではないかと。しかしわたしがあえてこの山を推す理由の第一は、その歴史の古いことである。(日本百名山より)

本では続いて、奈良朝初期に出た「常陸風土記」の記事を紹介し、なるほどそんなに古くから神話の中に出てくるのかと感心させられます。

一方、山としての魅力はと言うと、手元のガイドブックによりますと「女体山の山頂からの展望は見事。展望を楽しむなら西高東低の冬型の天気になった方が良い」そしてカタクリやツツジの頃もおすすめしています。

筑波観光鉄道のHPによるとコースタイムは、筑波山から御幸ヶ原まで90分、自然研究路60分、御幸ヶ原から女体山まで15分、女体山から筑波山神社まで95分と合計255分、4時間15分です。

しかし関東の人ならまだしも、「日本百名山」として遠方から登りに来るのは、かなりの踏ん切りがいるのではないでしょうか。「遠方からきてハイキング」はコスパを声高に言うつもりはないのですが「厳しい」です。
そんな中、コロナ禍の緊急事態宣言のもと東京に在住していた時分に、単独でもまず事故にならない山として選んで登る機会を得ました。東京五輪が1年遅れで開催された2021年の9月の山行です。

■筑波山 2021/9/12
筑波山神社(8:40/10:00)御幸ケ原(10:05/10:15)男体山(10:15/11:05)自然研究路経由で女体山(11:05/12:35)筑波山神社

筑波神社から御幸ヶ原コースで男体山へ

つくばエクスプレスでつくば駅へ。駅においてあった登山マップを確認しながら8時のバスに乗って筑波山神社入口というバス停に。

筑波山神社
筑波山神社

日本百名山だけに登山客は多いです。御幸ヶ原コースを登路、白雲橋コースを下山路とすることにします。

丸太階段あり
丸太階段あり

最初から丸太階段、根っこに岩ゴロゴロです。(コロナ禍もあって)運動不足の身にはきつい。

石や木の根が露出
石や木の根が露出

男女川源流の湧き水というのがあった。しかしコロナ禍とあって飲む人は少ないようです。今から思うと、本当に大変な世の中でしたね。

水場があった
水場があった

ケーブルもロープウェイもある山ということで多くの登山客、ハイカーがいました。しかも軽装。

階段状をぐんぐん登る
階段状をぐんぐん登る

やがて御幸ヶ原に着きました。この広々とした広場にまずびっくりしました。そしてここにはケーブルカーの駅があります。筑波山にはケーブルカーとロープウェイがあるのです。なんという「通俗的」な山なのでしょう(笑)

御幸ヶ原にはおみやげ屋さんもある
御幸ヶ原にはおみやげ屋さんもある

御幸ヶ原からまずは男体山へ行くことにします。下の写真で奥に伸びる階段を上がって行きます。それにしても天気が悪いですね。

こちらを登ると男体山頂
こちらを登ると男体山頂
まずは男体山頂へ
まずは男体山頂へ

およそ15分で男体山山頂に到着。天気が良くならない…

男体山頂のお社
男体山頂のお社

何かいいところはないかなと思って、自然研究路という男体山の周りを散策する道を回ることにしました。これがアタリで、とても静かで綺麗な森で気持ちが良かったです。

自然研究路は綺麗だ
自然研究路は綺麗だ
自然研究路は綺麗だ2
自然研究路は綺麗だ2

御幸ヶ原にいったん戻り、女体山を目指します。しばらくしてガマ石と言われる大きな石がありました。その昔、永井兵助が「ガマの油売り口上」を考え出した場所といわれていることからこの名がついたそうです。永井兵助は深川・木場で武士の衣装をまね竹光を派手に振り回して口上を工夫してガマの油を売っていたそうです。

ガマ石
ガマ石

女体山に到着しても、当然ながら天気が回復するわけもありません。社の向こうに人影がありますが、そこは岩の上だったりするわけでです。

女体山頂
女体山頂

これが岩の上だ〜。
ガスガスやん。女体山からの絶景はお預けとなってしまいました。

女体山頂の岩
女体山頂の岩

展望がないとなると、人が多い頂上にとどまる必要もないと思い、さっさと下山開始です。出だしは急な岩場で注意が必要です。

下山は割と難儀する
下山は割と難儀する

やがて巨石が現れるようになりました。下の写真は北斗岩。天空に輝く北斗星(北極星?)のように決して動かないとされ、天空を突き刺しそうです。

北斗岩
北斗岩

下の写真は「母の胎内くぐり」。岩の間をくぐることで、生まれた姿に立ち変わると言われています。

母の胎内くぐり
母の胎内くぐり

下の写真は「弁慶の七戻り」。大きな岩が挟まっていて、見ているだけで緊張してきます。弁慶も七戻りしたという説があるようです。

弁慶七戻り
弁慶七戻り

やがて傾斜も緩くなって、スタート地点の筑波山神社に到着しました。

自然探究路と巨石巡り 思ったよりは楽しくて、これで展望を楽しむことができればもっと好印象だったことでしょう。
筑波山は「西の富士、東の筑波山」と言われるくらい関東の人にとって目につく山だとされていますが、関東の他の山からなかなか筑波山を見ることはできず、冬の西高東低の時が良いのかもしれません。


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